日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(64)がイラ立ちを募らせている。

 W杯アジア最終予選イラク戦と同オーストラリア戦(11日、メルボルン)の結果次第で解任の可能性もあり、心中穏やかではないようだ。

 今や、どこで怒りの“スイッチ”が入るかわからない。5日の公式会見でミーティングの回数や時間を減らした効果を問われたら「それは誰から聞いたのか?」と不機嫌そうに聞き返した。先月29日のメンバー発表会見で「合宿でのミーティング時間を少なくする。寝ている選手がいた」と言っていたにもかかわらずだ。続けて「15分くらいのミーティングで十分に説明するのは不可能。短くするようトライはするが、私はこのやり方を続ける」などと語気を強めて長時間ミーティングの正当性を説いた。

 不可解な発言の裏にはミーティング時間を減らすに至った経緯があった。GK西川周作(30=浦和)は「キャプテンを中心に言ってくれて改善した」と明かす。9月のUAE戦に敗れた後、キャプテンのMF長谷部誠(32=Eフランクフルト)らから、ピッチ外でミーティング漬けにする方針の緩和を要求されて渋々認めていた。自分が選手の言い分に屈した状況を好ましく思わなかったようで、あくまで“強い指揮官像”を崩したくなかったというわけだ。

 だからこそ、解任がチラつく状況にも「日本ではプレッシャーはないと思う。それがいいか悪いかわからない。(アルジェリア代表監督時代は)この10倍のプレシャーがあった。プレッシャーがあるのはいいこと。よりモチベーションが上がる」と強がってみせた。

 もっとプレシャーをかけてほしいと言わんばかり。ただでさえ熱い指揮官が、こんな心理状態で冷静な采配を振ることができるのだろうか。