J放映権2100億円契約が各チームにもたらす“恩恵”は

2016年07月21日 16時30分

 Jリーグは20日、英国パフォーム・グループの動画配信サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」と来年から10年間で約2100億円に及ぶ放映権契約の締結を発表した。これまでJリーグの放映権収入はスカパーJSATや地上波など合わせて年間約50億円だったが、年平均で4倍を超える大型契約となった。

 

 会見した村井満チェアマン(56)は「日本のスポーツ界で初と言える長期大型の放映権契約」と胸を張った。さらに日本サッカー協会副会長の立場として「日本は2030年にW杯でベスト4に入ると約束した。約束を守るために、人をひきつけるリーグにする」と宣言。大物外国人の獲得や年俸増による待遇改善でJリーグのレベルアップを図り、同時に日本代表クラスの選手たちの海外流出も阻止するなど好循環を生み出そうというわけだ。

 

 年間210億円。単純比較で160億円の増加。景気の良い数字が並ぶが、これが急成長を続ける中国の“爆買い”に対抗できるかとなると微妙だ。

 

 今回の契約ではJリーグ側が動画の権利を保有するが中継制作費を負担することになり、パフォーム側の求める動画配信の質を実現するためには多額の投資が必要になる。パフォームは顧客にあたる他のリーグやスポーツにおいて、投資額を回収するために会場などのハード面や周辺環境、人材を含めたさまざまな部分で厳しい要求を突きつける傾向があるからだ。

 

 投資や支出を差し引くと利益は契約額の2~3割になるとの見方もあり、現在平均で2億2000万円強のJ1クラブへの分配金も、多く見積もっても1クラブあたり数億円増という規模。爆発的な増額は見込めず、数十億円クラスの補強を繰り返す中国のイメージには追いつかない。

 

「みなさんはJリーグがお金持ちになったと思っているが、実力以上の期待をしていただいている。大きな借りをしていることになる」と村井チェアマンも気を引き締めており、J復活のためには手にしたカネの使い方が重要になりそうだ。