順当にU―23代表メンバー入りした主将のMF遠藤航(23=浦和)が、オーバーエージ(OA)選手と23歳以下のイレブンとの“仲介役”を買って出た。

 五輪本番でもチームのまとめ役として期待されるが、メダル取りのカギを握るのはOA選手との融合だ。なかでもFW興梠慎三は「自分はどっちかっていうと年下としゃべるのは苦手なほうなので、どうかな?と思うけど…」と今後のコミュニケーションに不安をのぞかせているだけに、何らかの対策が必要だった。

 そこで五輪キャプテンは練習で積極的に声をかけることから始め、OA選手がなじみやすい雰囲気をつくる。さらにピッチ外では食事の“慣例”を変える。遠藤は「僕らの世代で遠征に行ったら(食事会場で)どの席って決まれば、ずっと同じ席に座っている」と問題視しており、今後は席のローテーション制を指示。OA選手と交流を深めて、世代間の格差を取り払うという。

 練習と合わせ3度の食事時間をフル活用すれば、2年間かけて積み上げてきたチームの方針をOA選手と共有することも可能。ピッチ上ではプレーに関する細かな要求を先輩に出しにくい面もあるが、食事の席ならざっくばらんに話し合え、プラス効果は多い。

 遠藤は五輪アジア予選では持ち前のキャプテンシーを発揮し、チームを本大会に導いた。メダル獲得を目標とするリオ五輪でも頼りになりそうだ。