【武田修宏の直言!!】リオデジャネイロ五輪に出場するサッカー男子のU―23日本代表は国際親善試合(6月29日、長野・松本)でU―23南アフリカ代表に4―1と圧勝した。五輪1次リーグ初戦(8月4日=日本時間5日)で戦うナイジェリア対策としては良いマッチメークだったし、いい試合になったんじゃないかな。アフリカ選手のスピードやパワー、高い身体能力に対応するには慣れることが一番。序盤こそ押し込まれたが、選手個々にとってはいいシミュレーションになった。

 ただ、南アフリカは個人の能力頼みで組織的ではなかった。日本は4得点したけど、本番で対戦するナイジェリア守備陣は欧州でプレーする選手も多く、簡単には崩せない。速い攻撃だけではなく、ダイレクトでつないだり、パスやランニングのスピードに緩急をつけるとか、もうひと工夫が必要かな?

 気になったのはイージーミスの多さだね。先制を許したPKの場面は自分たちのミスだし、フリーの場面でもトラップに失敗する選手がいた。本番では決して許されないよ。五輪で戦う相手は必ずそこに付け込んでくる。もっと確実にプレーしないと勝ち抜けないだろうね。

 すばらしかったのはFW浅野拓磨(21=広島)。スピードはもちろん、屈強なフィジカルの相手に競り負けず、存在感があった。さすがA代表に選ばれた実力者ってところかな。本番も期待できそうだね。

☆武田修宏:たけだ・のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)から86年に読売クラブ(現東京V)入り。ルーキーながら11得点を挙げ、リーグVに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、千葉などでプレー。00年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。01年に東京Vに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時代も含めれば152得点を挙げた。87年に日本代表に選出。93年米国W杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。
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