米国で開催された南米選手権決勝(26日=日本時間27日)、アルゼンチンは0―0からPK戦の末、チリに2―4で敗戦。エースFWリオネル・メッシ(29)が「代表引退」を宣言し、波紋が広がっている。

 メッシはPK戦で1番手のキッカーを務めながらシュートを外した。試合後に「代表でタイトルを獲得したかったが、残念ながら報われなかった。僕の代表チームでの役目は終わった」と話した。W杯など主要な国際大会で4度決勝に進みながらも敗戦。「シルバーコレクター」と呼ばれてきた。

 まさかの発言にこれまでメッシのプレーに批判的だった地元メディアも“手のひら返し”。地元スポーツ紙「オレ」は、SNSを通じて、メッシが再考し、代表に戻るように働きかけるキャンペーンを開始。メッシが代表チームのリーダーであることを強調し、早くも反響を集めている。

 アルゼンチンサッカー協会も、状況を確認した上で全力で慰留に乗り出す構え。エース抜きではW杯南米予選でも苦戦は免れないためだが、他にも事情がある。2010年に日本代表がアルゼンチンと対戦した際、その契約書にはメッシが不出場の場合は違約金20万ドル(約2000万円)と明記されていたという。当時、アルゼンチンのマッチフィーは1試合で推定80万ドル(約8000万円)と見られているが、エース抜きでは今後の対戦報酬の大幅下落は避けられないからだ。

 GKセルヒオ・ロメロ(29)は「メッシはまだ非常に感情的な状態での発言だと思っている」と話し、引退撤回の可能性も示唆した。

 世界屈指のストライカーはこのまま代表の舞台から退いてしまうのか。