日本代表は7日のキリンカップ決勝戦(大阪・吹田)でボスニア・ヘルツェゴビナに1―2で競り負け、初タイトルを逃した。

 左ヒザ痛の影響で、ハリルジャパンの敗戦をベンチで見守ったエースFW本田圭佑(29=ACミラン)は、自身の去就について言及。イタリアで複数の現地メディアがACミランと2020年までの契約延長を報じたばかりだが「僕らサイドからのリークではないことは確か」と内容については否定しなかった。

 さらには「これは出るとか出ないとかいうことではないけど」と前置きしたうえで「残り1年の契約が残っているということ。ただ、クビにさせられる結果というのも分かっている。出て行く可能性があるというのは常々ある」と現時点では交渉が合意に至っておらず、残留と退団の両方の可能性があることを強調した。

 ふがいない戦いで敗れたチームについては「負けたのは面白くないし(チームには)批判が待っている。犯人探しも始まるし、ネガティブになる」とダメ出し。「僕がぶった切るより(出場した)選手自身が反省すればいい」とあえて同僚を突き放した。

 そんな中で、本田が冗舌になったのは“後継者候補”の台頭に話が及んだ時だ。途中出場で日本代表デビューを果たしたMF小林祐希(24=磐田)について、ジェスチャーを交えてボールを要求する姿に「もっと言え、もっと言えと(思っていた)。気持ちの出ている選手が少ない中で祐希の気持ちは伝わってきた。祐希のような選手が何人も何十人も出てくるようなサッカー界にならないといけない」。

 唯一の光明として小林祐の積極的な姿勢を評価する一方、自由奔放な言動が波紋を生んでいることにも言及。「僕が(代表に)出てきたときにも(ビッグマウスが)議論になっていたけど、まだそんな議論をしているのかと」。エースもかつて放言連発で各方面に大きな物議を醸したが、ビッグマウスの先輩としてもプレーと同じように評価した。

 同じ左利きでビッグマウス。プレースタイルも似ていることから“2代目”とも言われるが、まだ自身の後継者と言えるほどのパフォーマンスは示せていない。本田はW杯アジア最終予選に向けて小林祐の成長を温かく見守っていく。