<キリン杯>いよいよ問題化 ハリルの失言癖

2016年06月06日 16時00分

笑顔で会見したハリルホジッチ監督

 日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(64)の“失言癖”がいよいよ問題化だ。キリンカップ決勝の日本―ボスニア・ヘルツェゴビナ戦(7日、大阪・吹田)に向けた公式会見が5日、大阪府内で行われた。指揮官は故障を抱えるFW本田圭佑(29=ACミラン)とMF香川真司(27=ドルトムント)の欠場を示唆したが、チームの機密をいとも簡単に明かす口の軽さには波紋が広がっている。

 

 合宿中に左太もも裏を痛めた本田と3日のブルガリア戦で右脇腹を打撲した香川は、ともに5日に医師の診察を受けた。2人とも重傷ではない模様だが、公式練習を欠席。宿舎で別メニュー調整となった。日本が誇るダブルエースの存在は日本のチーム力を大きく左右するだけに、重要なポイントになる。だが、ハリルホジッチ監督は公式会見の場でこう言い切った。「真司と本田は問題がある。我々と一緒に戦ってほしいが(出場は)難しいと思う」。なんと、2人を欠場させる方針だと明かしたのだ。

 

 これに焦ったのがキリンカップを中継するテレビ朝日系だ。同局関係者は「ハリルホジッチ監督は正直な方なんだろうけど、ちょっと困るかな…。2人が出る出ないで、やっぱり注目度は違うからね。ただ、まだ出ないと正式に決まったわけではないから…」と困惑気味に話す。

 

 本田と香川は日本代表の“顔”となるスター選手だ。結果的に出場しないのは仕方ないにしても、試合前から欠場が明白なら、視聴者の興味を大きくそぐことになりかねない。大物選手の起用については試合当日まで明言を避けるのが、高額な放映権料を支払う中継局への“マナー”で、暗黙の了解でもある。それを報道陣から質問が出る前に自らが切り出したのだから、テレ朝側がグチりたくなるのも当然だ。

 

 実際、これまでもハリルホジッチ監督は選手の体脂肪データを“流出”させるなど、数々のうっかりで周囲を慌てさせている。代表に限らず、どのチームでも選手の出場情報は機密事項で、外部に漏らすのはご法度。9月から始まるロシアW杯アジア最終予選やその先の本大会ではギリギリの戦いが続く。そこでも同じように口を滑らすことがあれば敵に塩を送るようなもので、勝てる試合も勝てなくなる。

 

 今回は公式戦ではないものの、タイトルと賞金がかかる。指揮官も「トロフィーを掲げたい」と真剣勝負と強調しているだけに、もはや「うっかり」では済まされない。日本サッカー協会の霜田正浩ナショナルチームダイレクター(49)は過去の失言時に「注意しようと伝えました」と話したが、全く反省していないようだ。キリンカップはW杯最終予選に向け貴重な強化の場だが…まずは指揮官の口の“再強化”が必要かもしれない。