香川2発!!ブルガリア戦で覚醒 W杯10番の悲劇オレが止める

2016年06月04日 20時00分

2点目を決めた香川(右)は長友とのラブラブぶりを見せつけた

 サッカー日本代表は3日、国際親善大会のキリンカップ1回戦(愛知・豊田)でブルガリアに7―2と大勝し、ボスニア・ヘルツェゴビナとの決勝戦(7日、大阪・吹田)に駒を進めた。エースのFW本田圭佑(29=ACミラン)が負傷で欠場したが、エースナンバーを背負うMF香川真司(27=ドルトムント)が2得点を挙げて存在感を発揮。その裏には、日本の背番号10の“黒歴史”に終止符を打つという覚悟があった。

 

 左ヒザ裏のケガで本田が欠場。エース不在が懸念された一戦で本領を発揮したのが香川だ。1点リードで迎えた前半27分、DF長友佑都(29=インテル)の左クロスにヘディングで合わせると、35分にも相手DFを巧みな反転でかわして左足でゴールを決めてみせた。

 

 その後、右腰付近を痛めて前半44分に退いたものの、きっちり仕事を果たした。香川は「佑都から本当にドンピシャのタイミングでクロスがきた。チームとして大事な試合で結果を残せてよかった」。負傷については「たぶん打撲。様子を見る。次の試合? たぶんいけると思う」と語った。

 

 これまでは大事な試合になると実力を示せず本田の陰に隠れがちだったが、最近はリーダーとしてチームをけん引する意欲に満ちあふれている。その自覚は「席順」にまで表れているという。

 

 プライベートでも仲が良いDF槙野智章(29=浦和)は「ミーティングでは(一番)前の席に座っている。これまで座ることはなかったのに…。中心選手が引っ張っていくことで、下の世代もついてくるし、チームが同じ方向に進んでいく。本人も、もっとやらなきゃいけないと思っているはず」と話す。

 

 香川の“変心”には理由がある。「日本代表の10番はW杯で活躍できない」というジンクスを打破するためだ。日本が初出場した1998年フランスW杯では名波浩氏(43=現磐田監督)が背負って3戦全敗。2006年ドイツW杯のMF中村俊輔(37=横浜M)も不完全燃焼のままで1次リーグ敗退。02年日韓W杯のFW中山雅史(48=JFL沼津)と10年南アフリカW杯の俊輔に至っては先発の機会すらなかった。

 

 香川も14年ブラジルW杯は不調で先発を外れるなど、1次リーグ敗退の“戦犯”となった。だからこそ2年後のロシアW杯本番では「負の遺産」を一掃するために、チームを勝利に導くようなパフォーマンスを見せる…そんな新たな決意を持って臨んでいるのだ。

 

 槙野も「彼が、それを振り払うプレーをしないといけない」と期待している。

 

 一方で、公私ともに親交の深い長友に結婚前提の熱愛が発覚。香川が“長友ロス”に陥り、チーム内での孤立化やプレーへの悪影響も懸念されたが、その直後に結果を出したことは“独り立ち”への自覚の表れとも言えよう。代表ではなかなか輝けない香川が、ようやく超本気モードになってW杯ロードを歩んでいく。