【武田修宏の直言!!】日本代表はキリンカップでブルガリアなどと対戦するけど、9月から始まるロシアW杯アジア最終予選に向けたチームの強化になるのかは少し疑問なんだよね。

 アジアのライバル韓国は同じ時期に欧州遠征に行って、1日にスペイン、5日にチェコと対戦する。この2チームは10日に開幕する欧州選手権(フランス)に出場する超本気モードの強豪国。テストマッチには最高の相手でしょ。正直、日本はマッチメークで大きな差をつけられたよね。

 もちろん、スポンサーの支援で大会が開催されるのは本当にありがたいこと。だけど強化を考えれば、敵地に乗り込んで厳しい試合を経験する方がレベルアップの近道。だからこそ“失敗”と言われないように、イレブンは国内でも最高のパフォーマンスを見せなくちゃいけない。

 例えば、25日のアジアチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦でFCソウル(韓国)に敗れたJ1浦和イレブンは厳しい敵地で、全力パフォーマンスを披露した。テレビ画面を通じても真剣勝負の激しさが伝わってきたし、選手たちが確実に成長したと感じられる試合だった。

 日本代表イレブンも浦和のように全精力を注ぎ込む戦いをしてもらいたいし、ハリルホジッチ監督も指導すべき。

 そうしなければ強化にならないだろうし、最終予選に向け、チームは進化できないんじゃないかな。

 ☆武田修宏:たけだ のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)から86年に読売クラブ(現東京V)入り。ルーキーながら11得点を挙げ、リーグVに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、千葉などでプレー。00年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。01年に東京Vに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時代も含めれば152得点を挙げた。87年に日本代表に選出。93年米国W杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。

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