ついに手倉森ジャパンの「世界仕様」がベールを脱いだ。静岡市内で合宿中のU―23日本代表は13日にJ2清水と練習試合(45分×2)を行い、1―1で引き分け。リオ五輪に向けて4―2―3―1システムをテストし、トップ下にMF鎌田大地(19=鳥栖)を配置する“鎌田シフト”が機能した。

 1点ビハインドの後半25分。鎌田は、動きの止まった相手のスキをついてスルーパスを繰り出し、MF野津田岳人(21=新潟)の同点ゴールを演出した。「岳人君がいい動き出しをしてくれたのでパスを出すだけだったけど、得点できてよかった」と振り返った。

 優勝した1月のU―23アジア選手権(カタール)は手倉森誠監督(48)が4―4―2を基本布陣にして戦ったことに加え、引いて守る相手が多いこともあって、持ち味が生きない鎌田の招集は見送られた。だが、前に出てくる世界の列強との対戦となればDFの裏のスペースを使いやすくなり、指揮官は抜群のパスセンスを持つ若き才能に大きな期待を寄せている。

 この日のプレーについて手倉森監督は「スキをついていこうという姿勢はあった。抜け目ない」と評価した。その一方で、物足りないと感じる守備力やフィジカル面の向上などを厳命。鎌田本人も「(手倉森監督に)言われたことは意識してやろうと思っている」。日本の秘密兵器がリオ五輪で世界を驚かせる準備は整いつつある。