なでしこジャパンの10番を背負うエースFW大儀見優季(28=フランクフルト)が6日、2020年東京五輪に向けチームの再建に乗り出した。

 リオ五輪アジア最終予選(大阪)は敗退が確実な状況。7日にはベトナム戦に臨むが、エースは「自分たちが若かったころは上の人を見て(代表の)責任の重みを感じてきた。だからこそ、そういうことの厳しさを伝えていかないといけない」と早くも“次”を見据えている。

 今大会から澤穂希さん(37)が長年背負ってきた「背番号10」を受け継ぎ、新たな自覚が芽生えた。これまではプレーでチームに貢献するタイプだったが、今後は積極的に言葉を発信し後輩を引っ張っていく。特に主将のMF宮間あや(31=岡山湯郷)が代表を引退する可能性が高いため、チームの再建はエースに託されるからだ。

 リーダーとして新生なでしこをけん引するには、グラウンドで誰もが認める結果を出さなければならない。今予選では3試合に先発して1得点と真価を発揮できていない。大儀見は「この2試合でやり切らないと始まらない」と語気を強めて、ゴール量産を誓った。

 大会後には、佐々木則夫監督(57)の退任や日本サッカー協会の女子委員会の刷新など、チームを取り巻く環境も変化していくなか、なでしこのエースは4年後に向けた第一歩を踏み出した。