【Jリーグ本紙大予想!!:瀬谷宏】昨季最多勝ち点「74」の広島を上回るチームがあるか――予想のポイントは実にシンプルだ。

 広島は昨季21得点のFWドウグラス(28)の穴が埋まるかどうかだが、清水からナイジェリア人FWピーター・ウタカ(32)を獲得。縦に速いという特長がクローズアップされがちだが、関係者の間では「実は足元がうまい選手」と評価されている。それだけに森保一監督(47)のサッカーに合う可能性は高く、ドウグラスと同等の活躍を期待していい。

 昨季の主力はほぼ残留。U―23日本代表FW浅野拓磨(21)の成長が見込めるうえ、昨年のクラブW杯で戦力としてメドが立ったMF茶島雄介(24)、チャンピオンシップで活躍したDF佐々木翔(26)がレギュラーの座をうかがう勢いで、戦力も厚くなった。京都からFW宮吉拓実(23)、山形からMF金範容(25)を獲得し、ACLとのターンオーバーもスムーズにいく陣容。昨季の勝ち点を維持できるはずで、2連覇の可能性は高いと見ている。

 これを追う浦和は湘南からDF遠藤航(23)を獲得したが、攻撃陣の補強がなかった。底力不足は否めず、広島を逆転できる編成とは言えない。G大阪はFW宇佐美貴史(23)が夏に海外移籍する可能性が高いため、第2ステージ以降の戦い方が難しい。それなら、FW金崎夢生(27)が残留した鹿島やFW森本貴幸(27)ら攻撃陣の補強に成功した川崎のほうがACLがないぶん、広島に肉薄できそうだ。

 面白い存在になりそうなのが鳥栖。天才の呼び声高いMF鎌田大地(19)に大化けの予感が漂い、マッシモ・フィッカデンティ監督(48)の目指す堅守がはまれば上位進出もあるだろう。