Jリーグ理事会が23日に都内で開かれ、日本サッカー協会の原博実専務理事(57)がJリーグ副理事長(副チェアマン)に就任することが内定した。協会ナンバー3のまさかの“電撃移籍”に波紋が広がっている。

 原氏は協会の次期会長選に立候補したが、田嶋幸三副会長(58)に敗れて今後の動向が注目されてきた。原氏は「協会の人間として、田嶋さんがどう考えているか」と新体制での処遇について聞くことを最優先としたが、オファーの内容は“平理事”。つまり、専務理事から事実上の降格を意味していたのだ。

 その後、原氏の経験や手腕を高く評価するJリーグの村井満チェアマン(56)は「Jリーグのレベルアップ全般の総責任者に」と要職を打診。原氏も「Jリーグのほうが自分の専門分野を生かせると思った」と、3月9日付で協会を退職する決断を下した。

 原氏は現役時代に日本代表のエースとして鳴らし、指導者としてもJ1浦和やFC東京の監督を歴任。日本代表の技術委員長も務めたサッカー界の大物だ。今回の“電撃移籍”は各方面に衝撃を与えたが、田嶋次期会長は大胆な協会改革を断行していきそうだ。

 ある協会理事は「原さんは何事も『いいんじゃない?』とアバウトな部分が多くあったが、田嶋さんは全てにおいてきちっとやるタイプ。今後の理事選考なんかでも、そういう面が出るだろう」。原氏の転出は大胆人事の“序章”にすぎないことを示唆した。

 すでに田嶋副会長は、自らの掲げるマニフェストを実行できる人材を3月の理事会に向けてリストアップしている。

 北沢豪理事(47)や中西哲生特任理事(46)ら有名理事たちの去就にも注目が集まりそうだ。