【リオ五輪アジア最終予選】原川 地味中の地味男が劇的決勝弾

2016年01月27日 16時37分

リオ五輪でも大暴れを誓う原川(中=ロイター)

 【カタール・ドーハ26日(日本時間27日)発】日本に五輪切符をもたらしたのは幼なじみコンビだった。リオ五輪アジア最終予選で日本はイラクを2―1で下し、出場権を獲得した。「ドーハの悲劇」を「歓喜」に変えたのは先制点のFW久保裕也(22=ヤングボーイズ)と後半アディショナルタイムに決勝弾を決めたMF原川力(22=川崎)だ。ともに山口県出身で幼少期からの親友同士。気心知れた2人が大仕事をやってのけた。
 
 1―1で迎えた後半48分アディショナルタイムだった。右サイドからMF南野拓実(21=ザルツブルク)が上げたクロスをイラクのGKファハドがクリア。そのこぼれ球に素早く反応した原川はペナルティーエリア外から迷うことなく左足を一閃。弾丸ミドルをゴール右隅に突き刺した。

 五輪切符をつかむ貴重な決勝ゴールで一躍ヒーローとなった原川は、地味な手倉森ジャパンのなかでもジミ~な存在だ。これまでJ1でのプレー経験はなく、プロでのゴールも2014年に在籍したJ2愛媛での1得点のみ。実績はほぼない。

  そんな男を飛躍させたのは、幼少期からしのぎを削ったライバルたちの存在。まずはこの日、先制ゴールを決めた久保だ。原川は「小学校からずっと一緒にやってきているので。こういう場所でやれてうれしい」。同じ山口・山口市出身で実家も近所。ともに大歳小から鴻南中へ進み、揃ってU―18京都に入団した。

  エリート街道を歩んでいる久保とは対照的になかなか芽が出なかった苦労人だが、手倉森ジャパンで再び同僚となり闘志をかき立てられた。「もっと刺激を与え合いながら、もっと上の舞台のピッチに立てたら」と、今後も切磋琢磨してリオ五輪でも大暴れを誓う。

  もう一人は、なでしこジャパンにも選ばれたMF田中陽子(22=ノジマステラ神奈川相模原)だ。2人は小学生時代にFCレオーネで5年間プレー。プロ入り後も同クラブの初蹴りに一緒に参加し、SNSでツーショットも披露。「お互い頑張ろう!!」とエールを送るなど交流は続いている。

  男女の違いこそあるものの、12年のU―20女子W杯で大活躍した田中の姿は発奮材料になっていたはず。日本を救う劇的弾でライバル2人に知名度でも追いつきそうだ。