【カタール・ドーハ26日(日本時間27日)発】日本に五輪切符をもたらしたのは幼なじみコンビだった。リオ五輪アジア最終予選で日本はイラクを2―1で下し、出場権を獲得した。「ドーハの悲劇」を「歓喜」に変えたのは先制点のFW久保裕也(22=ヤングボーイズ)と後半アディショナルタイムに決勝弾を決めたMF原川力(22=川崎)だ。ともに山口県出身で幼少期からの親友同士。気心知れた2人が大仕事をやってのけた。

  ――五輪出場を決めた試合で先制点

  久保:大事な試合で点を取れるのは、すごくうれしいし、なかなかできないこと。決められてよかったです。2点目が欲しかったけど、前半に点を取るのが、先発で出ているFWの役目。そういう部分では、できたと思います。

  ――FW鈴木武蔵(21=新潟)から絶妙なクロスが入った

  久保:(ボールが来ると)信じて走ってました。武蔵だけでなく、室屋(成=21、明大)にも、常に「あそこ(GKとDF)の間に入れてくれ」と言ってましたし、あそこでちょんと触れば、入る自信はありました。得意なパターン? あそこで触って点を取るのがいいかなと自分のなかで思っています。

  ――イラクに押し込まれる苦しい展開だった

  久保:ピンチもあって厳しい試合でしたけど、チャンスは来ると思っていました。負けは考えていませんでした。

  ――京都ユースで、ともにプレーした同郷の原川が決勝ゴール

  久保:持っていかれたなと思いました。僕のゴールは消えました(笑い)。ポジションが違ったので、負けられないというより切磋琢磨し合ってきた感じですね。

  ――“最弱世代”と言われてきた

  久保:スーパーな選手もいないし、そういうよくない声は、僕たちも知ってました。いろいろ悔しい思いも多くて、それをエネルギーにしてやってきた。そういう声があった分、見返してやろうという気持ちでチーム一丸になれました。

  ――大会を通じてチームが成長している

  久保:1戦目よりやりやすくなっているし、成長している。勝っていけばチーム全体が積極的になるし、試合をこなすごとにやりやすくなっていった。

  ――これからはリオ五輪への戦いが始まる

  久保:初めての世界大会なので楽しみ。この世代のトップが集まる大会だと思う。甘い試合はないので、個人としてチームとして成長が必要。目標? ロンドン五輪が最近で覚えていますし、前回大会(4位)より上にいきたい気持ちはありますね。