【リオ五輪アジア最終予選】イラン戦のヒーロー2人は「必殺苦労人」

2016年01月23日 16時00分

【カタール・ドーハ22日(日本時間23日)発】リオ五輪アジア最終予選(U―23アジア選手権)でU―23日本代表が、いよいよリオ切符に王手をかけた。準々決勝イラン戦で延長戦の末に3―0で勝利。準決勝(26日)で勝てば五輪出場権(3位以内)を獲得する。王手の立役者は、延長前半に先制のヘッド弾を決めたMF豊川雄太(21=岡山)と、延長後半に2得点を挙げたMF中島翔哉(21=FC東京)だ。昨季所属クラブで出場機会に恵まれなかった“苦労人”が大一番で躍動した。

 

 負けたら終わりの準々決勝。2014年のU―22アジア選手権(オマーン)、アジア大会(韓国)で立ちはだかったベスト8の壁をリオ五輪出場権がかかった大会で突破してみせた。

 

 殊勲の先制点を決めたのは、追加招集でメンバー入りした豊川だった。延長前半6分、DF室屋成(21=明大)からのクロスに頭で合わせてゴールネットを揺らした。「成がうまく上げてくれた。途中出場の僕がゴールを決められれば楽になるという気持ちでピッチに入った」。所属のJ1鹿島では昨季出場機会に恵まれず、今季はJ2岡山へレンタル移籍。それでも、最後の最後で選んでくれた手倉森誠監督(48)へ最高の恩返しとなった。

 

 延長後半に2ゴールを挙げた中島も勝利に大きく貢献した。1―0の延長後半4分、左サイドのペナルティーエリア外から右足でミドルシュートを決め、同5分にも再びミドル弾を炸裂させイランの戦意を喪失させた。手倉森ジャパンの背番号10は「90分間でいいプレーができていないというか、ほぼ何もしてなかったので、延長になったらチームが勝てるようにいいプレーをしたかった。延長では、あの位置でボールをもらったらシュートを打とうと思っていた」と語った。

 

 昨季、所属のFC東京でなかなか出番がなかった上に、今大会も調子は上がらずじまい。「この大会だけでなく、Jリーグでも(うっぷんは)あった。その迷いがプレーの邪魔をしていた」と振り返るほどだったが、見捨てることなく辛抱強く起用し続けてくれた指揮官には感謝の気持ちしかない。「自分が(FC東京で)試合に出ていない時も(U―23代表に)呼び続けてくれた。絶対に(監督を)オリンピックに連れていきたい」と誓った。

 

 所属クラブでの苦悩を大一番で振り払った2人が、手倉森ジャパンにさらなる勢いを与えた。