【リオ五輪アジア最終予選】久保から南野へPKキッカー禅譲か

2016年01月22日 16時00分

【カタール・ドーハ21日(日本時間22日)発】手倉森ジャパンのエースMF南野拓実(21=ザルツブルク)の復活に向け、意外なプランが浮上した。リオ五輪アジア最終予選を兼ねたU―23アジア選手権で準々決勝イラン戦(22日)に臨む日本だが、懸念材料はエースの不発。今大会3位以内のリオ五輪出場権を確保するには勝利とともに南野の復調が欠かせない。このため、イレブンはPKを獲得した際、南野にキッカーを任せる構えだ。

 

 U―23日本代表のエースとして大きな期待がかかる南野は、1次リーグのサウジアラビア戦(19日)で1アシストを記録したものの、3戦連続無得点と不本意な結果が続いている。

 

 昨年12月の石垣島合宿に参加できず、一人だけ“ぶっつけ本番”でチームに合流。その影響もあり、ザルツブルク(オーストリア)で急成長した姿をまだ見せられていない。20日の練習後には日本サッカー協会の霜田正浩技術委員長(48)とマンツーマンの青空会談で“救いの手”を差し伸べられたほどだ。

 

 五輪切符をゲットするにはエースの活躍が必要不可欠。なんとしても決勝トーナメントで覚醒してもらうためには思い切った手を打つ。PKを奪った場合、イレブンは南野にキッカーを譲る構えなのだ。FW久保裕也(22=ヤングボーイズ)は「PKは南野? 状況次第だけど、そういうこともあるかもしれない」と明かした。

 

 手倉森ジャパンでは原則としてFW久保がPKキッカーに指名されている。1次リーグのタイ戦(16日)では自らPKを獲得しゴールを決めたものの、そのときも「(南野にPKを)譲ろうかとも思った」(久保)と話しており、次回は譲る可能性が高い。ただ、譲られたPKを決めたからといってエースが簡単に復調するとも思えないが…意外とそうでもない。

 

 2014年3月にA代表が戦った国際親善試合ニュージーランド戦。MF香川真司(26=ドルトムント)がPKを獲得した際、当然エースのFW本田圭佑(29=ACミラン)がキッカーを務めるとみられたなか、当時マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)で不調に陥っていた香川にその座を譲った。ブラジルW杯開幕を目前に控え、日本の10番に復調のきっかけをつかんでもらうための緊急処置。本田も「普段だったら絶対に譲らない」と話していたが、PKで待望のゴールを決めた香川はその後、その安心感からか調子を取り戻し無事にW杯メンバー入りを果たしている。

 

 南野はチームの勝利を最優先に考えており“温情采配”については難色を示している(本紙既報)が、PKキッカーに関しては「譲ってくれれば…」と拒否しない方針。五輪出場に向けた最後の戦いでエースは浮上のチャンスをつかめるか。