【カタール・ドーハ20日(日本時間21日)発】リオ五輪アジア最終予選の準々決勝イラン戦を控えるU―23日本代表イレブンは、浮かれムードの一掃に取り組んでいる。

“予想外”の1次リーグ3連勝。不安視された得点力不足が解消し、失点も不運なPKでの1点だけとほぼ完璧な内容で勝ち上がった。これまでにない順調な戦いにDF奈良竜樹(22=川崎)は「いい流れできたけど、まだ(五輪が)決まったわけではない。浮かれている選手はいないと思うけど、余裕につながらないように、気を引き締めていかないといけない」と力を込めた。

 主将のMF遠藤航(22=浦和)は気の緩みについて「そういう選手はいない」と話したが、自信を手にしたイレブンの中に過信が生まれないとも限らない。そこでイレブンは宿舎内で顔を合わせると、「浮かれるなよ」などと声を掛け合うという。「選手間で? そうですね」(奈良)と合言葉のようになっているようだ。

 さらにDF岩波拓也(21=神戸)は「(1次リーグB組の)他の3チームは勝ち点3も取れていない」と指摘。同組で2位に入った北朝鮮は未勝利の勝ち点2でベスト8に勝ち上がった。

 日本の3連勝も“低レベル組”での結果にすぎないとし、この先の戦いに危機感を強めている。

 手倉森監督は「五輪を経験して成長していった先輩たちのようになるために、大切な10日間を過ごすことになるという話はした。緩んだかどうかは結果を見ればわかる」と厳しい口調で語ったが、“最弱世代”のイレブンはわずかな油断も許さないムードをつくり上げる。