【U―23日本代表】五輪出場逃せば損失30億円

2016年01月13日 16時00分

【リオ五輪アジア最終予選】最悪の事態は起きるのか。サッカーU―23日本代表は、リオデジャネイロ五輪アジア最終予選を兼ねたU―23選手権(カタール・ドーハ)の1次リーグ初戦(13日)で北朝鮮と対戦する。16チームでアジアの五輪出場枠「3」を争うが、世界大会を経験していない「史上最弱世代」とあって厳しい戦いが予想される。仮に五輪6大会連続出場を逃すようなことがあれば、日本サッカー協会の“損害”は甚大。なんと最大30億円にも及ぶというから一大事だ。

 U―23日本代表にはA代表にも選出されたMF南野拓実(20=ザルツブルク)ら欧州組も合流し、いよいよ最終予選に挑む。手倉森誠監督(48)は「まだ何も成し遂げていない世代が、可能性を示す戦いになる」と奮起を促すが、6大会連続出場を危ぶむ声は大きい。

 それはチームが結成後、全く結果を出せていないからだ。2014年1月のU―22アジア選手権(オマーン)ではイラクに敗れて準々決勝敗退。同9月のアジア大会(韓国・仁川)もベスト8で韓国に敗れている。アジアの大会でリオ五輪出場権を得られる3位以上に一度も入れていないのだから、この評価も当然だろう。

 こうした現状にある日本サッカー協会関係者は険しい表情を浮かべながら「ちょっと五輪は厳しいかもしれないね。仮に五輪に出れないと、今後が大変になるんじゃないかな。損害が出る? 損をするってわけではないけども、壮行試合ができなかったりするので、いろいろとあるから」と話した。

 U―23日本代表が五輪本戦に出るならば、開幕する8月までに多くの強化試合が組まれる。すでに協会側が発表した日程から見ると、現時点で少なくとも4試合の主催が見込まれている。だが、試合がなくなれば入場料やテレビ放映権料、看板スポンサー料など、1試合で得られるはずの推定3億円×4試合=約12億円の収入がゼロになってしまうのだ。

 さらに五輪やW杯などの世界大会に日本が参戦する場合、大きな売り上げが見込めるのがレプリカユニホーム。2000年シドニー五輪では「(各種タイプを)合わせて30万枚くらいは売れたはず」(協会関係者)。リオ五輪でも推定10万枚以上の販売数が予想されるが、大幅に縮小されるのは間違いない。

 他にも代表グッズや関連商品の売り上げにも波及し、最大10億円もの“被害”も。さらに五輪出場に合わせてテレビCMを強化したり、キャンペーンを行ってきた日本代表の各種スポンサーの露出が激減する影響を含めれば、その“損失額”は合計30億円(推定)にも達すると見られている。

 1996年アトランタ五輪から続く、日本サッカーの歴史が途切れてしまえば“損害”は金銭だけにとどまらない。世界大会を経験できなくなり選手強化に影響するばかりか、ここまで築き上げた日本サッカーのブランド価値も低下。間接的にロシアW杯を狙うハリルジャパンにも支障が出るだろう。

 とはいえ、手倉森ジャパンは五輪出場を勝ち取るために、最善の準備を進めてきた。イレブンも重圧を感じながらも最終調整に臨んでおり、チームの意欲は高い。「ダメ世代」と言われ続けたイレブンは“奇跡”を起こすことができるのか。