リオ五輪の出場権がかかるサッカーのU―23アジア選手権開幕(12日、カタール)を前に、手倉森ジャパンと初戦でぶつかる“あの国”が不気味な動きを見せている。

 U―23日本代表は2日連続の強化試合を終え、8日は宿舎移動のみで休養にあてた。1次リーグ最大のライバルとなる13日の北朝鮮戦が近づくなか、日本に衝撃が走った。

 7日に今大会の最終登録メンバーが発表され、昨年8月の東アジアカップでハリルジャパンが北朝鮮に1―2で敗れた際、1得点1アシストと活躍を許したFWパク・ヒョンイル(22)が選外となったのだ。A代表でも歯が立たなかったパクが不在となれば、日本にとって追い風になるはず…。だが、どうやらそうでもないようだ。

「あのデカいFWがU―23にも出てきたら、とんでもない脅威になる。当然、組分けが決まってからはあの選手の対策を入念に進めていた。それが出ないとなったら、相手はどんなサッカーをするのか…」とU―23代表チームに選手を送り出したJクラブ関係者は不安を口にする。

 パクは2メートル近い長身を武器に空中戦で無類の強さを誇る。主力のMF原川力(22=川崎)が「フィジカル面を出してきて厄介。ああいう選手がいると放り込んでくる」と語っていたように手倉森ジャパンは最も警戒し、ロングボールの対応や大きい相手に対する体の入れ方など入念に対策を行ってきた。

 それが直前にパクがメンバーから外れたばかりか、北朝鮮はスピードやテクニックを売りにする選手を重点的に招集。戦術変更の可能性もあり、手倉森誠監督(48)も対策の練り直しを迫られているのだ。

 突然の水爆実験で世界を揺るがせた北朝鮮が、サッカーの舞台でもキナ臭さを漂わせている。