本田、武藤、清武…ハリル欧州トリプル面談の思惑

2016年01月08日 06時00分

欧州視察でハリルホジッチ監督はどんな話をするのか

 日本代表の悩める3人は“ハリル流進路指導″に何を思うのか。現在休暇中の日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(63)は、2月から欧州組の視察を再開し、多くの選手と面談する。中でも注目がFW本田圭佑(29=ACミラン)、FW武藤嘉紀(23=マインツ)、MF清武弘嗣(26=ハノーバー)。いずれも今冬は残留の見込みだが夏の移籍も視野に入れており、指揮官と将来について議論を交わすことになる。3人が抱える事情と指揮官の思惑とは――。

 

 ハリルホジッチ監督、そして日本代表にとって最大の心配事となっているのが、本田が置かれている苦しい現状だ。

 

 今季前半戦は構想外となり、クラブ批判まで行って飼い殺し状態となってしまった。ミラン側はガリアーニ副会長が今冬の残留を明言しているが、移籍先の選択肢が広がる夏の市場では放出が既定路線となっている。すでにイングランド・プレミアリーグのウェストハムなどの名が取りざたされているが、現在の実力や出場機会を考慮すると欧州主要リーグで引き合いがあるかは微妙な状況。そこで出番となるのが「選手がクラブを変えたいなら、話をして私の意見を伝える」と公言するハリルホジッチ監督だ。

 

 選手、指導者として長年過ごしてきたフランスには強固なネットワークがあり、多少実力は劣ってもねじ込むことは可能。プライドの高い本田も、各国の代表選手が多数プレーするフランスならば移籍先として納得すると見られる。

 

 同国1部マルセイユやリヨンが獲得に興味を示しており、今後はハリルホジッチ監督の古巣であるリールやレンヌが候補に浮上する可能性もある。本田にとっては“コネ入団″が現実路線となりそうだ。

 

 武藤も夏には大きな決断を迫られそうだ。今季からドイツへ渡ると高い順応性を見せ、前半戦で早くも7ゴールを量産。この活躍の様子は欧州内に広まり、昨年末にはイングランド・プレミアリーグの名門マンチェスター・ユナイテッドから移籍金1500万ポンド(約26億円)とも言われるオファーが届いた。現時点で武藤はオファーを認めつつも「自信を持ってから話を受けたい。今はマインツで結果を残すことを優先したい」と今冬は移籍する意思を示していない。だが、1シーズンを戦い抜き目標とする15得点をクリアすれば話は変わってくる。

 

 ドイツで得点ランク上位に食い込むストライカーに対して、オファーが殺到するのは確実。マンUだけでなく他の強豪クラブも獲得に乗り出すと見られる。そんな状況になれば、本人もクラブも移籍を本気で検討するはずだ。

 

 残留か、ステップアップか――。大きな決断を控える武藤に、昨夏の海外移籍の際にも助言したハリルホジッチ監督が今度はどんな意見を提示するのか。

 

 清武は昨年11月のW杯アジア2次予選カンボジア戦前の練習中に右足第5中足骨を骨折して戦線離脱。現在リハビリ中だが、早ければリーグ戦再開となる23日のダルムシュタット戦で復帰できる見込みとなっている。

 

 その清武はハノーバーでのプレーが高く評価され、スペインのクラブから関心を寄せられている。「清武の高い技術はスペイン向き。乾(貴士=27、エイバル)が評価を高めていて、スペインでも夏に日本人の獲得を検討するクラブが出てきている。ハノーバーが降格すれば清武も考えるのではないか」と欧州事情に詳しい関係者は話す。

 

 卓越したパスセンスやセットプレーの精度の高さはスペインのスカウト陣の目にも留まり、中堅~下位で具体的に獲得準備を進めているクラブもあるという。

 

 また、清武に近い関係者によると「弘嗣はだいぶ海外でのプレーに慣れてきて、次のことも視野に入っている。日本人が多いドイツの下位チームでやるよりも、成功例が少ないスペインでインパクトを残せば代表のレギュラーも近づくという考えもある」。

 

 清武に高い評価を与えているハリルホジッチ監督のアドバイスは、今後の進路に大きな影響を与えそうだ。