【高校サッカー】星稜 ゴジラパワーで“因縁”の明徳義塾に完勝

2016年01月06日 16時00分

2得点の活躍を見せた阿部(中)

 全国高校サッカー選手権準々決勝が5日に行われ、前回大会覇者の星稜(石川)が明徳義塾(高知)に3―0で快勝し、4年連続の4強進出を決めた。サッカーの公式戦では初対戦の両校だが、野球部がOBの松井秀喜氏(41)在籍時に5打席連続敬遠で注目を集めた因縁カード。星稜イレブンは見事に“リベンジ″を果たしたが、そのウラには松井氏との強い絆があった。

 星稜が横綱相撲で貫禄を示した。前半28分にMF阿部雅志(17)のPKで先制すると、同40分にFW大倉尚勲(18)が追加点。後半14分に再び阿部がダメ押しのゴールを奪い完勝を収めた。4年連続4強進出は、2000~04年に国見(長崎)が記録した5年連続に次ぐ快挙。河崎護総監督(56)は「まさかここまで来るとは。選手がよく頑張ってくれた」と感慨もひとしおだ。

 星稜にとって節目の勝利となったが、イレブンにとっては特別な思いを込める一戦でもあった。

 両校はサッカー部こそ初対戦だが、野球部には日本スポーツ史に残る因縁がある。1992年夏の甲子園2回戦で対戦し、当時星稜の4番だった松井氏が前代未聞の5打席連続敬遠をされて2―3で敗退。スポーツの枠を超え、社会現象にもなった大騒動に発展した。

 とはいえ、現在の部員は当時生まれてもおらず、部も違う。河崎監督も「意識はない」と話しており、本来ならばそこに感情は生まれない。

 だが試合を前に「絶対に負けられないです」(GK坂口璃久)、「勝ちたいです!」(DF六田邦宏)と選手たちは揃ってヤル気満々。松井氏のリベンジにここまで闘志を見せるのは、“強い絆”があるからだ。

 星稜高関係者が「松井はサッカー部のことを気にかけているし、毎年この時期はチェックしている」と話すように、自身が所属した野球部同様にサッカー部への愛情も人一倍。毎年日本に帰省する年末年始は母校の選手権の戦いぶりをテレビ観戦し、巨人時代には大会中の部員を直接激励することもあった。さらにOBの元日本代表FW豊田陽平(30=鳥栖)ともサッカー談議を交わすなど、星稜魂のもとに信頼関係を築いている。

 そんな松井氏のサッカー愛をイレブンも伝え聞いており、4強進出を決めた試合後に「まだベスト4。優勝して報告をしたい」(坂口)と意気込んでいる。“ゴジラパワー″の後押しで、星稜が大会連覇の偉業へ挑む。