クラブW杯準々決勝(13日、大阪・ヤンマースタジアム長居)、アジア王者の広州恒大(中国)が2―1で北中米カリブ海代表アメリカ(メキシコ)を下した。準決勝(17日、横浜)で3度目の世界制覇を狙う欧州代表バルセロナ(スペイン)と対戦する。

 広州は先発したブラジル代表FWロビーニョ(31)が精彩を欠き前半で交代。後半10分に先制を許したが、35分に同点とすると、アディショナルタイムに迎えたCKの好機でブラジル人MFパウリーニョ(27)が頭で押し込んだ。殊勲のMFは「チーム全体がよかった」と謙虚に喜んだ。

 年間予算はアジアトップ級の100億円にも及ぶ。これまで大物外国人や世界的名将と契約し、今季は元ブラジル代表監督のルイスフェリペ・スコラリ氏(67)を迎え入れた。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)では1点差につき500万元(約9300万円)のボーナスをチームに支給し、士気を高めた。

“金満クラブ”と揶揄(やゆ)されるほどの豊富な資金力をバックにアジアを制圧し、今大会の出場権を得た。だが、年間予算5億900万ユーロ(約670億円)のバルセロナの前では“最大の武器”もかすんでしまう。スコラリ監督は「バルセロナに比べれば小さなクラブだが、選手は勝てると信じるべきだ。不可能ではない」と強調した。かねて「クラブW杯制覇が目標」という広州は世界最強クラブを相手にどんな戦いを繰り広げるのか。