J1制覇を成し遂げた広島に対し、他クラブ関係者からは“勝者の主張”を求める声が上がっている。

 年間最多勝ち点を獲得した広島は、昨季までならリーグ最終戦終了時点で文句なしの年間王者。だが、CSがあったことで広島FW佐藤寿人(33)は素直に喜べず、優勝直後も「正直プレッシャーでしかなかった」と率直な思いを口にした。

 第1、第2ステージの勝者が激突した11年前のCSとは異なり、今回のCSは年間3位のG大阪にも優勝の可能性があった。それだけに今回のシステムに対する不満は各方面から上がっていたが、選手たちは「決まったことに従うだけ」と表立って異議を唱えることはなかった。

 だが、CS準決勝で敗れた浦和の関係者からは「このやり方ではやはり本当の強さを測れない。シーズンが始まる時からそう思っていて、優勝して意見を言いたかった。負けてしまったうちが言うのは、負け犬の遠ぼえになってしまう」。それだけに「広島の選手たちには、これがおかしいということを言ってほしい。アウォーズの舞台の上でスピーチすれば効果はあるかもしれない」と年間表彰式のJリーグアウォーズ(21日)でのパフォーマンスに期待している。

 日程やチケット販売、さらにはJ1昇格プレーオフとの勝敗決定方法の差異など多くの問題を露呈した今季のCS。王者の声に注目が集まる。