Jリーグ年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)準決勝G大阪戦(28日、埼玉)に臨むJ1浦和のDF槙野智章(28)が、全国生中継に胸躍らせるチームメートにクギを刺した。

 この試合はNHK総合で生中継される。近年ではめったにないお茶の間へのアピールチャンスとあって、浦和イレブンも意気込む。

 基本的に生中継される日本代表戦でゴールを守るGK西川周作(29)でさえも、かねて「生放送は自然とテンションが上がります」と口にするほどだ。

 そんなイレブンを横目に槙野は意外に冷静。普段はチームの先頭に立って盛り上げるムードメーカーだが「去年の悔しい結果をピッチで晴らさなくてはならない」と気を引き締めた。

 浦和は昨季優勝を目前にしながら、終盤にまさかの失速でV逸。今季は年間勝ち点1位を逃したものの、年間王者を決するCS制覇を目標にシーズンを送ってきた。それだけに「平常心で臨めればいいと思います」(槙野)と全国生中継を意識しすぎず、浦和サッカーを継続すると強調した。

 さらには「うちは気負いすぎるメンバーが多いので、46番(DF森脇良太=29)とか…」と、槙野と同じくチーム盛り上げ役の同僚を心配する。実際、当の森脇本人が「槙野と森脇、どっちが目立てるかですね」とアピールに夢中なようで、槙野の不安は大きくなるばかりだが…。

 準決勝は負けたら終わりの一発勝負。悲願のタイトル奪取のカギは“生中継の魔力”とどう向き合うかになりそうだ。