【スウェーデン・マルメ発】サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)1次リーグ第5節の8試合が25日(日本時間26日)に行われた。A組のパリ・サンジェルマン(フランス)のFWズラタン・イブラヒモビッチ(34)は古巣のマルメ(スウェーデン)から初ゴール。試合も5―0で大勝し、4季連続の決勝トーナメント進出を決めた。

英雄の凱旋に北欧の小さな町は湧き返った。1999年、プロのキャリアをスタートさせた地に戻ってきたイブラヒモビッチ。敵として公式戦で初めて立ったピッチだったが、故郷の温かい声援に感慨深い表情でキックオフを迎えた。

 試合はパリSGの一方的な展開。そのなかでクライマックスは後半5分だった。MFマチュイディのパスを受けたイブラヒモビッチが角度のないところから右足を振り抜いてネットを揺らした。古巣戦での初ゴールに「今夜、俺の夢がかなった。とても幸せだ。マルメのクラブやファンとは今でも素晴らしい関係ができている」と声を震わせた。

 今回の試合を迎えるにあたり、イブラヒモビッチは町の中央広場を貸しきって、パブリックビューイングを開催。「スタジアムが小さいから、より多くの人に試合を見てもらいたい。俺はマルメのファンのためなら何でもする」と労力を惜しまなかった。

 本拠地のパリでは13日に同時多発テロがあり、イブラヒモビッチも言葉を失った。それでもスウェーデンの英雄はサッカーの力を信じ、前を向く。故郷の声援を胸に、世界の平和と悲願の欧州制覇への思いを強くした。