【カンボジア・プノンペン16日発】ハリルジャパンに“異変”が起こった。17日にロシアW杯アジア2次予選でカンボジアと対戦する日本代表は試合会場で公式練習を行ったが、バヒド・ハリルホジッチ監督(63)は急きょ、練習をすべて公開。その中でFW本田圭佑(29=ACミラン)を主力組から外した。

 公式会見で「12日のシンガポール戦と同じように、しっかり勝利して今シーズンを終わりたい」と必勝宣言した指揮官は、これまですべて冒頭15分に限定してきた試合前日の練習の完全公開を報道陣に通達した。W杯予選4連勝からくる自信なのか、それとも今年最後の練習で感傷的になったからなのかは不明だが、約1時間のメニューを余すところなく見せた。

 ミニゲームでは、主力組の攻撃陣にはFW岡崎慎司(29=レスター)、MF香川真司(26=ドルトムント)、FW宇佐美貴史(23=G大阪)、FW南野拓実(20=ザルツブルク)を配置。本田にはサブ組でのプレーを命じた。15日に非公開で行われた練習でも“本田外し”が行われたもようだが、それが公式練習で白日のもとにさらされた形だ。

 ハリルホジッチ監督はシンガポール戦からの大幅な選手の入れ替えを示唆し「最も良いパフォーマンスをする選手が出るだけ」としている。裏を返せば、本田のコンディションに不安があることの表れ。あえてメディアの目があるところで、本田が絶対的な存在でないことをアピールしたともいえる。

 それでも本田はミニゲームで豪快なミドルシュートを叩き込み、選手たちから喝采を浴びた。カンボジア戦で日本サッカー史上初となるW杯予選5戦連続得点の偉業を達成できるのか。背番号4にとっては大きな分岐点の試合となりそうだ。