代表メンバー選考でわかった ハリル本気の「本田外し」

2015年11月06日 16時00分

日本代表メンバー23人を発表したハリルホジッチ監督

“エース外し”への布石か。日本サッカー協会は5日、ロシアW杯アジア2次予選シンガポール戦(12日、シンガポール)とカンボジア戦(17日、プノンペン)に臨む日本代表メンバー23人を発表した。これまでGKを除き各ポジション2人制を敷いていたバヒド・ハリルホジッチ監督(63)はFW金崎夢生(26=鹿島)を初招集し、センターFWを3人にした。この選考の裏には指揮官の腹案があり、エースFW本田圭佑(29=ACミラン)がはじき出されそうだ。

 

 ハリルホジッチ監督は新戦力の金崎について「デュエル(戦い)の中でボールをプロテクトしながら運べ、戦う姿勢もあり、ヘディングもうまい」と高く評価。リーグ戦9得点、ナビスコ杯5得点とゴールを量産する決定力に期待を寄せた。

 

 そのうえで「真ん中にパワーが足りない。センタリングを有効に利用できる選手を探していた。真ん中に人数をかけたいという思いからこうなった」と強調。DF陣の招集をこれまでの8人から7人に減らし、その1枠をセンターFWに回したが、岡崎慎司(29=レスター)、武藤嘉紀(23=マインツ)に続いて金崎を抜てきした。

 

 背景には今後のチーム編成の鍵を握る、あるプランが見え隠れする。技術委員会に近いJクラブ関係者は「(ハリルホジッチ監督は)タイミングを見て岡崎を右サイドで使ってみたいと考えているようだ。これまでの代表でのプレーぶりから岡崎の良さがより生き、チームの戦略上もプラスになるということでは」と証言。スタッフ会議でも岡崎の右サイド起用が話し合われているという。

 

 岡崎はザックジャパン時代に右サイドを主戦場としており、適性は証明済み。ハリル体制では「1トップで勝負したい」という本人の希望と高い決定力を考慮してセンターFWで起用してきたが、指揮官の目指す“縦に速いサッカー”では、持ち前の豊富な運動量が2列目でフィットする可能性が高いのだ。

 

 岡崎の右サイド起用を想定しセンターFWの枠をわざわざ1つ増やして武藤と金崎を招集。競争を促した格好だが、こうなると右FWが定位置のエース本田の立場が危うくなってくる。

 

 クラブで出場機会を失い、今季リーグ戦は無得点。日本代表のFW陣で一人だけ結果を出していない体たらくではハリルホジッチ監督も「プレーがそこまでできていない。もっとプレーしてほしい。今、競争はかなり高まっている。もっとトレーニングをしてほしい」と不満をあらわに。さらには「全員にプレッシャーを与えている。海外組も同じ。彼らが良いパフォーマンス、プレーができていないならA代表に呼ぶことはできない」と代表メンバーに“聖域”がないことを強調した。

 

 岡崎の配置転換を契機とし、エースがベンチに追いやられそうな気配。そればかりか一気に本田の代表落ちも現実味を帯びてきそうだ。