【武田修宏の直言!】(国際親善試合・日本1—1イラン、13日)

 イランはアジアナンバーワンの強豪。親善試合ながら、来年から始まるW杯アジア最終予選を占う重要な一戦とあって、結果よりも内容に注目したけど、日本代表には緊張感がなかったね。

 特に前半のDF陣は集中力がなく緩慢だった。大事な局面でイージーなミスを連発した。PKでイランに先制点を許した軽率なプレーをはじめ、ボールの失い方も悪かった。本来なら前半だけで3失点くらいしていたんじゃないかな。

 組織的で連動性のある守備もできていない。攻守の切り替えが遅く、ポジショニングもよくなかった。特に全然リスクマネジメントができていないのは問題でしょう。攻撃も序盤は縦パスばかりでバリエーションなし。もっと左右に幅と深みを持たせた攻撃はできないのか。バヒド・ハリルホジッチ監督(63)が、きちんと指導しているのかホントに疑問だよね。

 これまで言い続けてきたように、W杯最終予選に向けて不安しか感じないよ。試合は引き分けだったけど、同点ゴールはDFラインを崩したわけではなく、ラッキーだっただけ。好機はイランのほうが多かったし、日本にはチームとしての成長が見えない。本当に、これでいいのかな?

☆武田修宏:たけだ のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)か ら86年に読売クラブ(現東京Ⅴ)入り。ルーキーながら11得点を上げ、リーグⅤに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、 千葉などでプレー。00年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。01年に東京Ⅴに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時 代も含めれば152得点を挙げた。87年に日本代表に選出。93年アメリカW杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。http://takeda.at.webry.info/