サッカー日本代表FW本田圭佑(29)が所属するACミラン(イタリア)の経営陣やシニシャ・ミハイロビッチ監督(46)、サポーターを批判した一件がさらなる波紋を呼んでいる。


 ミラン担当の地元紙記者は「重大な内規違反。それが正論であったとしても高年俸をもらう契約下にある選手が、監督や雇用主である経営陣のやり方に口出しすることは常識として許されない。最低でも罰金は免れないのではないか」と見る。


 ミランはすでに、物議を醸した4日ナポリ戦後の発言の音声データを入手済みという。本田は日本語で話しており、翻訳家を通じて詳細な内容を確認中。地元紙には本田発言へ好意的な見方がある一方、放出濃厚とも報じられたが「過去にミランで経営陣を批判した人間など皆無だ。まさかクラブも本田がここまで常識を知らないとは思わなかっただろう。1月の放出について話すのは時期尚早という気もするが、今回の騒動で可能性は高まった」(同記者)。


 また当然、チーム内でも本田の立場は微妙になる。同記者は「常識的な付き合いをしてきた選手たちも、本田と距離をとり始めるのではないか」と眉をひそめた。“危険分子”とは誰も付き合いたくないというわけだ。


 そうしたなか、ミハイロビッチ監督は8日に本田発言について「深刻にとらえていないが、帰ってきたら話し合う。伝え方が悪かったのかもしれない。彼はプロフェッショナルだし、真面目な男だから(本当なら)驚きだ。日本人はもう昔のようではないのかもしれない」と地元メディアに語った。


 8日のロシアW杯アジア2次予選シリア戦に3―0で快勝した日本代表は、13日に親善試合イラン戦(テヘラン)を戦う。これを終えると本田は14日にもミランに合流する予定だが、先行きは不透明。チーム内での孤立化が進みそうだ。