【オマーン・マスカット6日(日本時間7日)発】バヒド・ハリルホジッチ監督(63)が就任してからは初招集となったFW南野拓実(20=ザルツブルク)に“もう一つの任務”が課された。

「小さいころからここ(日本代表)に来たかった。レベルの高い選手たちがいて、一緒にできる楽しさがある。試合に出られればチームのために100%のプレーをしたい」

 目を輝かせながら語ったチーム最年少だが、五輪出場経験を持つある選手は「今回、せっかくA代表に選ばれたのだから、五輪を経験した先輩選手もいっぱいいるし、いろいろな情報を仕入れてもいいと思う」とし、五輪の戦いを知る先輩選手に、成功体験や失敗談などを聞いて回ることを求めた。

 南野はこのままA代表に定着すれば、五輪代表としてプレーしない可能性はゼロではないが、現段階では出場権確保が危ぶまれているリオ五輪本戦出場の切り札であるのは間違いない。厳しい戦いが予想される来年1月の五輪アジア最終予選(カタール)に向け、先輩たちから“金言”をもらい、チームにフィードバックするのは大事な仕事だ。

 現代表には2008年北京五輪に出場した本田やFW岡崎慎司(29=レスター)、MF香川真司(26=ドルトムント)がおり、12年ロンドン五輪組としてはMF清武弘嗣(25=ハノーバー)やFW宇佐美貴史(23=G大阪)もいる。全敗で1次リーグ敗退した北京組と4強入りを果たしたロンドン組では体験談も違うだけに、南野にとっては最高の教材といっていい。

 得点力不足の日本代表を救うことはもちろん、6大会連続の五輪出場を果たすためにも、南野にかかる期待は大きい。