なでしこジャパン主将のMF宮間あや(30=岡山湯郷)が、なでしこリーグのシステムに一石を投じた。

 チームは13日の浦和戦に0―1で敗れ、レギュラーシリーズ7位に後退。残り3試合で上位6チーム(全10チーム)によるエキサイティングシリーズ進出を目指すが、宮間は「レギュレーションの中でやるだけだけど、そこに固執していたわけではない。そればかりにとらわれず、大事なのはサッカーの質だったりするので、何をしても勝ち点3を取ればいいのではない」と語った。

 あえてリーグのシステムを否定するかのような発言をしたのには意味がある。6位以内に入れなければ下位4チームだけで総当たり戦を行うため、シーズン後半はINAC神戸や日テレといった強豪チームとのリーグ戦での対戦機会は来季までなくなる。岡山湯郷で言えば、宮間や代表経験豊富なGK福元美穂(31)は別として、若手選手にとっては貴重な鍛錬の場を失うことになるわけだ。

 リーグ全体の底上げと個人のレベルアップのために、リーグ戦3回総当たりなどにしたいという思いが見え隠れする。これは、なでしこジャパンの強化にも直結するだけに、事態は深刻。2011年ドイツ女子W杯優勝後、なかなか進まない世代交代を少しでも加速させるためにも、リーグ戦の方式そのものの再考は喫緊の課題だ。

 6月のカナダW杯準優勝のなでしこジャパンでも、わずか2枠を争う来年2月のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選(大阪)を勝ち抜ける保証はない。今のままではリオはもちろん、20年東京五輪に向けてもプラス材料は少ないだけに、リーグ関係者は宮間の言葉に耳を傾ける必要がありそうだ。