日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(63)の“珍指令”にイレブンの間にはビミョ~な空気が漂った。

 8月27日の代表メンバー発表会見で、課題の得点力不足を解消する秘策として「PKをもらっていない。1点を取るのが難しい試合では必要。それを日本代表のFWにも教えていく」と力説。全員が揃った1日の練習でさっそく行動に移し、会見と同じ言葉で選手たちに熱く指導した。

 だが、そもそもプロ選手ならば、PKの重要性は十分に理解。指揮官に言われなくても必要に応じ、エリア内でファウルを誘発するプレーを実践している。あまりの決定力不足に、わらにもすがる思いで“セコい”作戦を打ち出したが、イレブンは複雑な反応だ。

 FW宇佐美貴史(23=G大阪)は「PKを取るのは難しいことでもあるし、意識的にこければ(シミュレーションの)反則を取られる」と“正論”を語り、香川も「そういうことを意識しすぎてもしょうがない。シミュレーションは紙一重だけど…一人ひとりの感覚で入り込めれば」と戸惑い気味。とはいえ、監督指令とあって宇佐美は「いかにPKを取る場面をつくり出せるか」と“大人の対応”も見せていた。

 かつてプロ野球界では広島の達川光男氏(60)が死球を狙う“当たり屋”の異名で人気を博したが…。ハリルジャパンもゴール前で選手がバタバタと倒れる珍プレー量産で茶の間を沸かせることになるかもしれない。