侍ストライカーが逆境をはね返した。イングランド・プレミアリーグのレスターに所属する日本代表FW岡崎慎司(29)は15日、敵地で2―1と勝利したウェストハム戦の前半27分に得意のヘディングで移籍後初ゴールを挙げた。

 同リーグでゴールを決めた5人目の日本人選手で、2戦目での得点はマンチェスター・ユナイテッドでプレーしたMF香川に並ぶ最速記録。地元メディアも岡崎の活躍をたたえており、英紙「ミラー」はチームトップの8点を付けて、マン・オブ・ザ・マッチにも選出した。

 ドイツ時代と同様のパフォーマンスを発揮したが、開幕前には危機説が浮上。過去イングランドで活躍した日本人がいないことに加えて、岡崎の獲得に尽力したピアソン監督(51)が電撃解任されたためだ。各メディアでも新監督の人事次第では、岡崎が干される可能性が指摘されていた。

 そんななか、名将クラウディオ・ラニエリ新監督(63)が就任。指揮官はインテル(イタリア)時代、どんなことにも真面目に取り組むDF長友佑都(28)を指導した経験から同じ日本人の岡崎に対する偏見は一切なく、逆に好意的だった。就任会見では「日本人はプロに徹するし、エゴを出さない。シンジは(長友に続く)2人目のいい日本人だ」と高く評価している。

 開幕から2戦連続のスタメン出場で結果を出した岡崎は「ゴールを取ってさらに認められるところがあるので」と初得点の意義を強調。今後もラニエリ監督の下でゴールを量産する。