【中国・武漢29日発】東アジアカップに臨むなでしこジャパンのMF上尾野辺めぐみ(29=新潟)が“宮間流”で若手たちを引っ張る覚悟を見せた。

 チームメートとともに名古屋から現地入りした上尾野辺は、リオデジャネイロ五輪アジア最終予選(2016年2月29日開幕、大阪)の前哨戦となる大事な大会に向けて危機感を募らせた。

「まだコミュニケーションが足りない。全然やったことがない選手、久々にやる選手もいる。経験ある選手が声を出していかないといけない」

 2大会ぶりの優勝を目指すには、チームの結束力アップは必要不可欠。そのために上尾野辺は年長者として行動に出る。「自分としては苦手なことだけど、一人ひとりとコミュニケーションを取っていきたい。オンオフ関係なく話せるようになれたらいいと思う」。2012年からキャプテンに就任したMF宮間あや(30=岡山湯郷)が先日のカナダ女子W杯までやってきたコミュニケーション法を、今度は自ら実践する考えを示した。

 一番大事なことは、チームの雰囲気づくり。「(カナダ)W杯はチーム一丸となって、難しい試合でも結果を残せてきた。そういう意味ではまとまったチームづくりをしていかないといけない」と意義を強調する。

 今回、上尾野辺はMF澤穂希(36=INAC神戸)が長年つけていた「10」を背負う。不在となった2人の大黒柱の思いを胸に、ピッチ内外で存在感を発揮してくれそうだ。