J1清水に加入したFW鄭大世(チョン・テセ=31)が不振を極めるチームに活を入れた。

 水原(韓国)から清水に完全移籍した鄭は25日、古巣・川崎との一戦で約5年ぶりのJ復帰を果たした。いきなりフル出場して5本のシュートを放つなど奮闘したが、チームは2―3と逆転負け。年間総合順位は相変わらず最下位のままで、J2降格へまっしぐらだ。

 清水はJリーグが発足した1993年から参加した“オリジナル10”の一つで、まだ一度もJ2降格を経験していない。そんな名門のかつてない窮地に、加入したばかりとはいえ、黙ってはいられなかった。

「足が止まりだしたら崩壊する。前線も(ボールを)追えてないし、もっと前からのプレッシングが必要。走れない選手は代えたほうがいい。あれでは前半でいくらリードがあっても(逆転を)食らう。疲弊した状況での試合運びが分かっていない」

 チームに入ったばかりだからこそ気づいた山積する課題。苦しむ名門を何とかして救いたいという思いから、あえて厳しい言葉を連ねた。

 もちろん、気づいたからには自ら動いてチームに貢献する覚悟がある。「自分の海外での経験を伝えたい。それで球際を激しくいった」。日本育ちの熱血ストライカーが清水の救世主となれるか。