ハリルジャパン 深刻な“点取り屋”不足

2015年07月25日 10時00分

ストライカーの人材不足を嘆くハリルホジッチ監督

 日本サッカー協会は23日、東アジアカップ(8月1日開幕、中国・武漢)に臨む日本代表メンバー23人を発表した。バヒド・ハリルホジッチ監督(63)は、ロシアW杯アジア2次予選シンガポール戦(6月16日、埼玉)での屈辱のスコアレスドローを踏まえ、U―22日本代表FW浅野拓磨(20=広島)ら新戦力を抜てき。指揮官自らストライカー育成に乗り出すが、その裏には深刻な“点取り屋”不足に苦悩する姿があった――。

 ハリルホジッチ監督は、シンガポール戦で露呈した得点力不足の解消を最重要事項に挙げた。「私の一番の仕事は得点を取る選手を見つけること。リーグ戦で25~30点を取る選手を見つけ、A代表でもできるだけ点を取ってもらいたい」と強調した。

 その候補としてハリルジャパン招集歴のあるFW宇佐美貴史(23=G大阪)、FW興梠慎三(28=浦和)、FW永井謙佑(26=名古屋)、FW川又堅碁(25=名古屋)らに加え、日本代表初選出のFW倉田秋(26=G大阪)と5月の国内組候補合宿に参加したU―22代表FW浅野を選んだ。

 予備登録メンバー50人に入っていた2年連続J1得点王のFW大久保嘉人(33=川崎)ら実績あるベテランはあえて呼ばず、若手の伸びしろに期待した。あるJクラブ関係者も「監督は30を超えたベテラン選手より若い選手のほうに魅力を感じ、試してみようと思ったのでは」と指揮官の意図を推測する。

 いずれにせよ東アジアカップでは、自らの指導で“点の取れるFW”に仕立て上げる構え。そうしたうえで9月のロシアW杯アジア2次予選カンボジア戦(9月3日、埼玉)と同アフガニスタン戦(同8日、イラン)につなげる。だが、裏を返せば…自らストライカー育成に乗り出さなければならないほど追い詰められているということだ。

 何より、本来は頼れる存在の欧州組の攻撃陣に浮上の気配がない。エースのFW本田圭佑(29)は所属のACミランから放出危機にあり、FW岡崎慎司(29=レスター)やFW武藤嘉紀(23=マインツ)は新天地にフィットできるか未知数。MF香川真司(26=ドルトムント)には復調の兆しがあるものの、完全復活にはまだまだ。確実な戦力として計算できる点取り屋が誰一人いない状況だ。あるJクラブの強化担当者も「欧州組がダメなら、代えられる選手がいなければならない。予選が始まってから準備しては遅い」と指摘する。

 さらに、指揮官はFWリオネル・メッシ(28=バルセロナ)やFWクリスチアーノ・ロナウド(30=レアル・マドリード)の名前を出したうえで「我々も違いを見せつける選手がいなければいけない。そのためにリーグの方々にコラボレートして、私を助けてほしいと言った」とも…。Jリーグに世界的ストライカー級の発掘という無理難題を持ちかけるほど“人材難”は深刻なのだ。

 悩みは深まるばかり。ハリルホジッチ監督自身が現役時代、名ストライカーだっただけに、余計にアラが目立つのだろう。東アジアカップでアジアの強敵相手に指揮官の苦悩を振り払ってくれるストライカーは現れるのか。