【武田修宏の直言!!】

 J1浦和が第1ステージ開幕から続けてきた無敗記録がついに「19」で止まったね。ここまで奮闘していたから、記録が途切れるのは残念だけど、大事なのは次の試合。しっかりとショックを振り払って再スタートできれば、改めて第2ステージも優勝を目指していけるんじゃないかな。

 その一方、浦和を止めた広島に注目したい。毎年のように主力選手が流出し、今季に向けても攻撃の軸だったFW石原直樹(30)、MF高萩洋次郎(28)が移籍。大きな戦力ダウンになったけど、それでもV争いを続けている。今回も無敗のビッグクラブ相手に正攻法で挑んで、結果を出したのはすばらしいね。

 広島は、浦和のように潤沢な予算のあるクラブではない。高額な移籍金が発生する補強ができないし、大物の外国人助っ人も獲得できない。だから育成に力を注ぎ、ユース以下の選手を強化している。このクラブ方針がブレないから継続してトップレベルの戦力を維持できている。

 それに森保一監督(46)の手腕も大きいね。毎年主力選手の入れ替わりがある中、選手の適性を見抜いてやりくりし、若手も積極的に起用する。広島の戦略と合わせて日本サッカー協会が見習うべき点は多いし、2020年東京五輪は森保監督を指名するべきだね。(元日本代表FW)

 ☆武田修宏:たけだ のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)から86年に読売クラブ(現東京V)入り。ルーキーながら11得点を挙げ、リーグVに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、千葉などでプレー。00年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。01年に東京Vに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時代も含めれば152得点を挙げた。87年に日本代表に選出。93年米国W杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。

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