【なでしこを背負うヒロイン候補:MF・猶本光(21)浦和】U―17W杯準優勝、U―20W杯3位になったチームの「心臓」ともいえる存在で、2014年5月8日のニュージーランド戦でA代表デビュー。続く女子アジアカップのメンバーにも選ばれ、優勝を経験した。順調にキャリアを重ねてきたが、佐々木監督から2つの課題を突きつけられた。

  まずは守備的MF(ボランチ)としての周囲の選手の使い方。ツボにハマると爆発的な威力があるミドルシュートの持ち主だが、正確性に欠けるのがネック。アジアカップでもミスが目立ち、指揮官からは「シュート禁止」まで言い渡された。それだけに、MF阪口夢穂(27=日テレ)のように広い視野を持ち、左右ワイドにパスを散らして味方にシュートを打たせるプレーを求められた。

  もう一つはフィジカルの強化。技術はあるが、国際試合になると当たり負けしてピンチを招くシーンが目立つ。今季開幕戦でも、一回り以上も年齢が上のMF澤穂希(36=INAC神戸)に接触プレーで、はじき飛ばされて試合の主導権を握られた。

  最近は競り合いでも負けなくなり、プレー全体に力強さが出てきた。関係者が「ポスト澤」と口を揃える逸材。弱点克服で、なでしこの大黒柱になる日は近い。