東アジアカップ(8月、中国・武漢)に臨む日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(63)を最強ライバルが“異常警戒”している。2013年大会に続く連覇が期待される日本の前に、最大の敵として立ちはだかるのが韓国だ。今年は好調を維持しており覇権奪回に意欲満々だが、ハリルジャパンには過剰とも言えるほど「恐怖心」を抱いているという。

 ロシアW杯アジア2次予選シンガポール戦(6月)をホームでまさかの引き分け。名誉挽回の舞台となる東アジアカップに向けてハリルホジッチ監督は15日、J1神戸―湘南戦を視察した。予備登録メンバー50人に選出した神戸MF森岡亮太(24)や湘南DF遠藤航(22)の動きを入念にチェックし、選考作業を進めている。

 その東アジアカップで連覇を狙う日本にとって最大のライバルとなるのが、長年アジアの覇権を争ってきた韓国だ。今年1月のアジアカップ(オーストラリア)で準優勝し、その後も無敗と順調にチーム力を上げている。当然、東アジアカップにも意気軒高と思いきや…意外にもハリルジャパンとの初顔合わせにビビッているという。

 韓国のメディア関係者が説明する。「ハリルホジッチが日本の監督に就任したことを韓国の協会、代表チームは非常に脅威としてとらえている。ブラジルW杯では彼の率いるアルジェリアにまさかの大敗で地獄に突き落とされた。韓国に対する分析、情報は当然頭に入っているので相当厄介になるはず」

 韓国は昨年のW杯1次リーグH組の2戦目でハリルホジッチ監督が指揮したアルジェリア代表と対戦。初戦を強豪ロシアと引き分けて上々のスタートを切りながら、必勝を期した2戦目で2―4と惨敗を喫した。このショックが尾を引き、3戦目でベルギーにも敗れて1次リーグ敗退の屈辱を味わった。

 個人の能力では「ほぼ互角」との下馬評だったにもかかわらず、アルジェリアに圧倒されたことで、韓国内ではハリルホジッチ監督の巧みな采配が注目を集めた。そんな“天敵”があろうことか長年のライバルである日本を指揮することになったのだから、韓国が心中穏やかでないのも当然だ。代表選手を送り出すJクラブ関係者も「韓国からしたら嫌なイメージがあるだろうね」と指揮官の存在がアドバンテージになると見ている。

 日本は韓国相手に最近4戦で3勝1分け(PK勝ち含む)と優勢で、2010年5月に岡田ジャパンが0―2と敗れて以来5年以上も負けていない。ここでさらにハリルジャパンが叩けば、宿敵にトラウマを植えつけられそうだ。