サッカー女子W杯でなでしこジャパンがW杯連覇に王手をかけた。気になるのは連覇達成となったとき、前回の優勝時に授与された国民栄誉賞がどうなるかだ。なでしこジャパンは4年前の女子W杯ドイツ大会で史上初のW杯制覇、団体競技では初となる国民栄誉賞を受賞した。今回連覇となれば「2度目の受賞になるの?」というのは素朴な疑問だ。

 永田町関係者は「2連覇となれば、偉業ですから当然、授与すべきかどうかは議題に上がってくるでしょう」と話す。内閣府大臣官房は「総理が決める話ですので、まだ話が下りてきていない。どうなるかは分かりません」と話す。

 国民栄誉賞の表彰対象は「内閣総理大臣が適当と認めるものに対して行う」と規定されている。要は明確な基準はなく、時の首相の専権事項なので、なんでもアリだ。

 ただ、今回のメンバーには澤穂希(36)、宮間あや(30)らメンバー23人中17人が前回の受賞者。選手だけでなく、佐々木則夫監督(57)やチームスタッフも授与されており、同一人物が2度、国民栄誉賞を受賞したケースは過去にない。

 一方で、前回メンバーでない選手もいる。

「一度あげたからあげないというのは不公平だという意見も当然出るでしょう。個人なら『2度目はなし』とできるが、団体だと難しい話。紫綬褒章なら回数に制限はありませんが…。それに前回受賞していない今回の代表メンバーはどうするか、などの話も出てくるのでは」(自民党関係者)

 安倍政権は2年前に故納谷幸喜さん(元横綱大鵬)、長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督(79)、松井秀喜氏(41)に国民栄誉賞を授与している。

「前回、なでしこの国民栄誉賞授与を決めたのは菅直人首相(当時)。東日本大震災後に勇気と感動を与えたという大義名分があったが『政権末期のゴタゴタを隠すため』『自分の名前を残したいだけ』などの批判にさらされた。安倍首相も『人気取りの菅と同じか』との陰口だけは叩かれたくないところ」と同関係者はみている。