【サッカー女子W杯】前園氏 なでしこ決勝進出のカギ握る岩渕

2015年07月01日 06時00分

 決勝進出なるか。カナダ女子W杯準決勝(1日=日本時間2日、エドモントン)でイングランドと対戦するなでしこジャパンを元日本代表MF前園真聖氏(41=本紙評論家)が徹底分析した。キーパーソンにはFW岩渕真奈(22=バイエルン・ミュンヘン)を指名。さらには、10番を背負うMF澤穂希(36=INAC神戸)とMF阪口夢穂(27=日テレ)のストライカー起用をぶち上げた。

【前園真聖 ゾノの焦点!】準々決勝(6月27日)のオーストラリア戦で日本はパスワークを駆使し、相手をいなしながら体力を奪う戦略でした。相手の足を止めることで、比較的優位に試合を進められました。イングランドにもフィジカルで劣りますが、同じようにパスで揺さぶることは有効なゲームプランになります。

 W杯も残り2試合。2連覇に向けた戦いの“ポイント”は「マナドーナ」と呼ばれる岩渕です。小柄ながら俊敏性に優れ、ドリブルは切れ味抜群で安定感もあります。女子選手にはいないタイプなので、相手は対峙したくないでしょう。特に相手の足が止まった後半に投入すれば効果は倍増します。

 2012年ロンドン五輪前、岩渕にインタビューする機会がありました。当時は代表で結果が出せず悩んでいた時期でしたが、同じドリブラーとしてスタイルに「こだわってください」と伝えました。その後、彼女のプレーを見ると、ドリブルのスピード、技術も向上し、今大会の活躍につながっていると思います。

 タイトルをかけて戦う試合では、勢いのある選手が勝負に大きな影響を与える傾向があります。オーストラリア戦で大会初ゴールとなる決勝弾を決めた岩渕はモチベーションも高い。その起用法とパフォーマンスが、なでしこジャパンの命運を握るといっても過言ではないでしょう。

 一方で、日本の攻撃陣ではMF安藤梢(32=フランクフルト)が負傷離脱。6月28日にはFW菅沢優衣香(24=千葉)も負傷し、戦力面で少し不安があります。それでも、日本が点を取りに行かなければならない局面が必ず出てきます。その際、エースFW大儀見優季(27=ボルフスブルク)に加え、MF阪口を最前線に上げるプランが有効です。

 昨年9月のアジア大会(韓国・仁川)台湾戦では負傷者が出て、急きょFWとして出場してゴールを奪いました。本職は守備的MFですが、もともとはFWの選手。シュートがうまく、競り合いにも強い。データも少ないので、相手を十分に惑わすでしょう。そこは佐々木則夫監督(57)も検討しているはずです。

 もう一人、攻撃の枚数を増やす場面で使いたいのはMF澤です。彼女は、優勝した11年ドイツW杯で得点王になったように、高い決定力を誇ります。試合を締める役割を期待されていますが、日本を支えてきた10番の攻撃力こそが、なでしこジャパンにとって最後の武器になるかもしれません。