ドイツ移籍の武藤をアシスト 長谷部が“アニキ代わり”

2015年06月29日 16時00分

マインツに移籍する武藤はチームメートから胴上げで送り出された

 ドイツ1部リーグ、マインツへ移籍する日本代表FW武藤嘉紀(22=FC東京)に“救世主”が現れた。FC東京でのラストマッチとなった27日の清水戦(味スタ)を終えた武藤は、新天地での活躍を誓った。一方で慣れない環境には不安を拭えないが、期待の若武者をサポートするため日本代表キャプテンのMF長谷部誠(31=Eフランクフルト)が一肌脱ごうとしている。

 

 FC東京の一員として役目を終えた武藤は青赤のユニホームを眺めながら「このエンブレムを付けることができて幸せだった」と感慨もひとしおの様子。

 

「初戦からレギュラーとして結果を出していきたい。ドイツではFC東京でやっていたプレーを見せて通用するところを見せたい」と新天地での躍動を約束した。

 

 とはいえ、もちろん不安もある。これまで実家暮らしで不自由ない生活を送ってきたが、言葉もままならない異国の地で一人暮らしを始めなければならない。公私で親交の深いFW岡崎慎司(29)もマインツからイングランド・プレミアリーグのレスターへの移籍が決定し、もう頼ることはできないからだ。

 

 ピッチ外の生活はプレーにも直結するだけに重要な要素になるが、こうした状況に立ち上がったのが長谷部だ。「ハセは代表でも武藤のことを常に気にかけているし、マインツに決まってからは『オレに何かできることがあったら何でも言ってくれ』と武藤に声をかけている。武藤もその言葉には感謝しているし、現地に行ったら頼りにするのではないか」とは2人を知るJクラブ関係者。

 

 長谷部は代表で後輩にあたる武藤の実力を高く買っており、ドイツでの飛躍に期待を寄せている。ピッチ上ではライバル同士でも、ひとたびグラウンドを離れれば弟分のために一肌脱ぐ考えだ。

 

 長年のドイツ生活で培った現地情報やドイツのチームへの溶け込み方などを伝えるが、何といっても「マインツはフランクフルトにも近い。いろいろな面で日本にいるような感じで過ごせるはず」(FC東京のクラブ幹部)。長谷部が本拠とするフランクフルトと武藤が移籍するマインツは、在来線で約30分と特急を利用する必要もないほど至近距離。長谷部はすでに食事にも誘っており、“困ったらいつでも来い”とばかりにバックアップを約束している。

 

 武藤も「ブンデス(リーガ)は日本人の選手も多いので、いろんなアドバイスを受けられる」。心強い援軍を得ていよいよ海を渡る。