【武田修宏の直言!!】Jリーグの第1ステージは浦和が優勝を決めた。昨季は首位を走りながら終盤に失速してV逸。イレブンが悔しい思いを晴らすために細かい部分まで積み上げた結果が、無敗での栄冠につながったんじゃないかな。

 この要因は得意とするカウンターだけではなく、サイドを広く使ったり、ポゼッションサッカーを展開するなど攻撃のバリエーションを増やしたこと。守備でもGK西川周作(29)を中心にコンパクトな陣形を保ちながら、攻守の速い切り替えで選手全員が高い守備意識を持っていた。

 選手個々もFW武藤雄樹(26)やMF関根貴大(20)らの新戦力がしっかり仕事をした。特に驚かされたのはDF槙野智章(28)の急成長だね。コーチングやラインコントロール、リスクヘッジの各能力がレベルアップ。中でもボールを奪う技術は格段に上がった。

 相手にボールが入る前に奪えるし、球際でもしっかりと体を入れて粘り強くマイボールにする。日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督がJリーガーに求めたものを実践できている。攻撃面もオーバーラップやセットプレーで効果的なプレーを披露。彼の奮闘がチームの快進撃を支えたのは間違いない。

 だからこそハリルジャパンに選出されたし、日本代表で先発の座をつかめたんだろうね。いまやDF陣の中で安定感はナンバーワン。人柄はいいし、リーダーシップもあるから、このまま活躍を続ければ代表でも欠かせない存在になれる。

 もちろん浦和のミハイロ・ペトロビッチ監督(57)の指導もあっただろうけど、槙野が万全なら浦和もしばらく安泰。このまま第2ステージも無敗で突き進むはずだよ。

 ☆武田修宏:たけだ のぶひろ=1967年5月10日生まれ。静岡県出身。幼少期から「天才少年」と呼ばれたストライカー。名門・清水東(静岡)から86年に読売クラブ(現東京V)入り。ルーキーながら11得点を挙げ、リーグVに貢献し、MVPにも選出された。Jリーグ発足後はV川崎や磐田、京都、千葉などでプレー。00年には南米パラグアイのルケーニョに移籍。01年に東京Vに復帰し、同シーズンで現役引退した。Jリーグ通算は94得点。JSL時代も含めれば152得点を挙げた。87年に日本代表に選出。93年米国W杯アジア最終予選でドーハの悲劇を経験した。

http://takeda.at.webry.info