澤が読売クラブ時代の仲間と新クラブ設立構想

2015年06月25日 10時00分

 なでしこジャパンのレジェンドMF澤穂希(36=INAC神戸)が、東京都内で新サッカークラブ設立の構想を練っていることがわかった。現在なでしこジャパンの一員としてカナダ女子W杯を戦っているが、将来の夢として、読売クラブ(現J2東京V)の仲間だったラモス瑠偉氏(58=現J2岐阜監督)らとともに新事業を展開したい考えがあるという。今大会後の去就に注目が集まるなか、クイーンは独自の道を歩むつもりだ。

 

 カナダ女子W杯1次リーグ初戦のスイス戦で先発のピッチに立った澤は、男女通じて初となるW杯6大会出場の偉業を達成。日本代表としての出場も同3戦目のエクアドル戦で202試合にまで伸ばし、通算83得点と合わせ、日本女子サッカー界では不滅の記録を現在も更新し続けている。

 

「サッカー選手である限り、代表を目指すのは当たり前」という澤にとって、今回のW杯も“いるべき場所に帰ってきた”という感覚。もちろん36歳という年齢も自覚しており、23日(日本時間24日)の決勝トーナメント1回戦オランダ戦を前に行われた国際サッカー連盟(FIFA)のインタビューでも「今大会が私の最後のW杯になると思う」と答えている。それでも、一部で報道されている大会後の代表引退発表については、現時点でまったく考えていない。

 

 ある主力選手は「澤さんは『私がそんなこと言うわけないじゃん』と言っているし、あの人は自分から『辞めます』なんて絶対に言わない。現役だってまだ続けるつもりなんだから」と報道を否定。なでしこOGの一人も「澤さんはまだ若い選手に負けないフィジカルを持っているし、経験でカバーできる部分が多い。来年のリオ五輪もやれる」と現役続行に太鼓判を押している。

 

 日本サッカー協会の小倉純二名誉会長(76)は2023年の女子W杯日本招致に向けて、澤に招致委員長就任を要請。それ以外でも澤の引退を見越し、協会理事に推す動きも活発化している。もともと澤は「コーチにはなりたくない」と指導者への転身に消極的だが、協会の仕事に興味を持っているわけでもない。近い関係者には「要請がきても断る」と漏らしている。

 

 今後の大きな目標の一つは「2020年東京五輪に何らかの形でかかわりたい」と5年後のビッグイベントへの参加。そしてもう一つ温めているプランは「澤クラブ」の立ち上げだ。

 

 W杯前、澤は近い関係者にこんな夢を語った。「いつまで現役をやるかはわからないけど、いずれは東京に戻りたいし、そこでやりたいこともある。東京でラモスさんや武田さん、北沢さんたちと一緒にクラブをつくって、多くの選手がサッカーを楽しめる環境を提供したい」

 

 最近は4年前のドイツW杯優勝で火がついた女子サッカーブームの追い風もあり、日本全国で多くの少女がサッカーを楽しめる環境が整ってきた。だが、まだ女子サッカーの受け皿は少ないのが現状。澤は自らがクラブ経営をすることで、少しでも「なでしこ予備軍」の助けになりたいと考えている。

 

 1991年、当時の読売ベレーザに入団が決まった際、最初の練習で澤と一緒にボール回しをしたのが読売クラブの主力だったラモス氏、武田修宏氏(48=本紙評論家)、北沢豪氏(46=日本協会理事)の3人だった。澤にとってその時の思い出は大きな財産になっており、読売クラブのように男女のトップ選手、ユース選手が一緒に練習できるクラブを理想としている。あくまで現役、あくまで現場主義を通す澤の野望は膨らむばかりだ。