本田 またまた再燃「FKキッカー」論争

2015年06月15日 16時00分

練習中も明るい表情の本田(中)

“悪魔の左足”がついに復活? 日本代表のエースFW本田圭佑(29=ACミラン)はセットプレーからの得点率の低さを問題視するバヒド・ハリルホジッチ監督(63)にFKキッカーの座を剥奪された。不動の地位が危うくなっていたが、ロシアW杯アジア2次予選シンガポール戦(16日、埼玉)に向けイレブンの間では本田の左足に対する“待望論”が高まりを見せている。

 ハリルホジッチ監督は本紙インタビューなどで本田のFKについて「決めたのはここ何試合か見ていない。昔決めたのは知っているが」と2013年8月のウルグアイ戦以来、直接FKで得点できていない背番号4をバッサリ。「もしかしたら本田はペナルティーエリアや壁の中にいたり、ヘディングに関わってもらうかもしれない」とキッカー剥奪の可能性を言及していた。

 指揮官はそれを実行に移し、3月の国際親善試合ではMF香川真司(26=ドルトムント)ら本田以外の選手をキッカーに指名した。11日のイラク戦でも、DF吉田麻也(26=サウサンプトン)やMF柴崎岳(23=鹿島)がゴールを狙った。本田も一度だけFKを蹴ったが、ゴール前にクロスを入れただけだった。

 もはや“悪魔の左足”は風前のともしびにも映るが、意外にもチーム内の意見は違う。「圭佑君のFKは、それはもうみんな信頼しているし期待している。今はあくまで監督もいろいろな可能性を試してみたいということだと思う。練習の中でも精度の高さは感じるし、やっぱり落ち着くところに落ち着くんじゃないか」とDF酒井高徳(24=シュツットガルト)は話す。

 逆風が強まる中でも、イレブンの本田への信頼は揺らぐどころか強くなっているのだ。これにはそれなりの理由がある。公認資格を持つ選手代理人は「南アフリカW杯を見ても分かるように、本田のFKはチームに計り知れない勢いをもたらせる。それは稀有な存在にしかできないこと」と解説した。

 2010年の同W杯1次リーグ最終デンマーク戦で本田が決めたFK弾は日本だけではなく、世界に衝撃を与えた。たった一振りでスタジアムの雰囲気を変えられるのは、誰にでもできることではない。得点以上の大きなパワーを与えられるのは、エースの左足しかないというわけだ。

 背番号4は「場所、状況によって、その瞬間で状況判断をして、蹴る選手が良いFKをできればと思う」と努めて冷静に話しているが、捲土重来のチャンスはいつ巡ってくるか。