宇佐美 欧州再移籍へG大阪社長が描くシナリオ

2015年06月13日 10時00分

好プレーを連発した宇佐美

 サッカー日本代表は11日に行われた国際親善試合(日産スタジアム)でイラクに4―0で大勝し、ハリルジャパン初陣からの連勝を3に伸ばした。国際Aマッチ初先発のFW宇佐美貴史(23=G大阪)は得点こそ挙げられなかったものの、得意のドリブル突破から1アシストをマークするなど躍動。欧州各クラブから再評価の声も聞かれる中、G大阪の野呂輝久社長(60)からは宇佐美の海外移籍に関する注目発言が飛び出した。

 

 左FWで先発した宇佐美の最大の見せ場は前半32分だった。MF柴崎岳(23=鹿島)の縦パスを受けると、スピードに乗ったドリブルでペナルティーエリアに侵入。相手DFを引き付け、左でフリーになっていたFW岡崎慎司(29=マインツ)へパスを出し、ゴールをお膳立てした。

 

 このプレー以外にも、切れ味鋭いドリブル突破やミドルシュートを随所に見せ、持ち味を発揮。得点こそなかったが、後半21分にベンチに退くまで相手に脅威を与え続けた。

 

 宇佐美はアシストのシーンについて「自分でも行けたし、GKと1対1になって出すか、(DFに囲まれた)あそこ(の場面)で岡ちゃんに出すかを悩んだ。でも、どっちにしろしっかりフィニッシュまで行けたし、ああいうプレーを見せられれば武器になると思う」と満足げに振り返った。

 

 バヒド・ハリルホジッチ監督(63)の期待に応え、日本代表で存在感を増しつつある宇佐美だが、Jリーグでも10ゴールを挙げて得点ランクトップタイと好調。かつて失格の烙印を押された欧州各クラブから再評価の動きが出ている。2011年に移籍したバイエルン・ミュンヘンでは出場機会に恵まれず、翌12年に移籍したホッフェンハイムでも輝けなかった過去がウソのような状況だ。

 

 だが、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)でベスト8に進出し、2年連続3冠に挑戦している今のG大阪にとって簡単に手放せる選手ではない。野呂社長は「現段階では(欧州クラブからのオファーは)きていない」と前置きした上で、宇佐美の海外再移籍についてこう語った。

 

「将来的には頑張ってほしいが、新スタジアムでプレーしないで(移籍する)ということはないでしょう。本人もそう思っているのではないか。ガンバで育って海外に移籍して、戻ってきて3冠に貢献した選手が新スタジアムの初ゴールを挙げたら、それこそファンやサポーター、みんな喜びますよ」

 

 大阪・吹田市に今秋完成予定の新スタジアムは、来季からリーグ戦などの公式戦で使用される予定。宇佐美が新スタジアムで“置き土産”となるゴールを決め、欧州へ再挑戦――。そんなシナリオが来夏にも完成するかもしれない。