協会が心配するハリル監督の悪癖

2015年06月11日 16時00分

ハリルホジッチ監督の暴走が心配されるが…

 国際親善試合イラク戦(11日、横浜)と初の公式戦となるロシアW杯アジア2次予選シンガポール戦(16日、埼玉)に臨むハリルジャパンに、意外な不安が浮上している。それは日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(63)がふがいない戦いで試合に敗れると怒り心頭となり、試合後の記者会見をボイコットする“悪癖”だ。日本サッカー協会の霜田正浩技術委員長(48)も警戒しているというから穏やかではない――。

 

 ハリルホジッチ監督は就任後2戦2勝。ショートカウンター主体の戦術で日本サッカー界に鮮烈な印象を与えたが、W杯予選に向けて不安がないわけではない。各国代表を率いてきた指揮官には、公式戦に負けると頭に血が上り、試合後の記者会見を“欠席”した過去があるからだ。

 

 試合後の監督会見は公式行事のため、出席が義務。拒否すれば、大会を主催する国際サッカー連盟(FIFA)やアジアサッカー連盟(AFC)からの出場停止や罰金などのペナルティーは避けられない。ハリルホジッチ監督は性格的に熱中すると周囲のことを考えずに“暴走”するタイプ。就任会見の席でも「負けるのは大嫌い。負けると病気になる」と不気味な“予告”をしており、W杯アジア2次予選で日本が情けない戦いで敗れるようなことがあれば、激怒して会見に出てこない可能性は十分ある。

 

 この件について、霜田委員長を直撃すると「会見に出なかったことがある? そうだけど、日本ではそんなことしないから。監督もルールは分かっているけど、一応きちんと伝えておく」と話す。協会関係者も「大丈夫だとは思いますが、気をつけないと…」と注意を払っている。

 

 ただ、仮に“暴走”してしまった場合、日本のW杯出場に大きな影響が出かねない。過去にもFIFAやAFCは問題があったチームに対し、突然ドーピング検査を課したり、執拗な選手の身分確認、練習場の割り当てや使用時間を急に変更するなど、様々な“嫌がらせ”に出ている。ハリルホジッチ監督が感情に任せた行動を取れば、W杯予選を戦う日本に大きなハンディとなって返ってくる可能性があるのだ。

 

 また、日本代表を支援しているスポンサーのイメージダウンにもつながり、さらなる余波も懸念される。霜田委員長も「余計なことをして、にらまれるのはどうか。勝つためには少しでもリスクになるようなことは避けないといけないから…」と述べた。

 

 実際、指揮官は日本代表でも選手の個人データを公開したり選手移籍に介入したりと、熱くなってやり過ぎたケースも多い。「カーッとなるタイプだけど、悪気はないので」(霜田委員長)とそれだけ日本代表の強化に心血を注いでいる証しではあるが、6大会連続のW杯出場に向け、協会が指揮官の“手綱”を握っていく必要はありそうだ。