J1FC東京の日本代表FW武藤嘉紀(22)が得点ランクトップに並ぶ今季10点目を決めた。7日、敵地で2―1と競り勝った松本戦の前半アディショナルタイム、自らがペナルティーエリア内で倒されて得たPKを左隅に蹴り込んだ。

 特別指定選手としてプレーした2013年を除き、新人から2年連続2桁得点。1994、95年のFW城彰二(市原=現J2千葉)以来の記録となった。今季10得点を目標に掲げていたストライカーは「意識していなかった。サポーターにも言っていたし、しっかり10点取れてよかった」と安堵した。

“天狗にならない”ことを常に心がけている。「良い結果が出てもブレないでやる。変わったとかは言われたくない」。スポーツ選手の中には活躍して注目を浴びると突然周囲への態度が悪くなったり、金髪にして派手な装飾品を身に着ける者もいるが「髪は清潔に伸ばさないように。服もシンプルにしています」と謙虚さを重視してきた。

 こうした姿勢にチームメートも共感。ピッチ内外で積極的に武藤をサポートし「2年目のジンクス」を吹き飛ばす活躍につながった。すでにマインツ(ドイツ)移籍が決定し、FC東京のユニホームで戦うのも残りわずか。「Jリーグではラスト2試合。しっかり2つ勝ちたい」と最後まで力を振り絞る。