マインツ移籍の武藤との競演に言葉濁す岡崎“複雑な事情”

2015年06月06日 10時00分

別メニューで走り込む岡崎(左)と長友

 移籍か残留か――。去就問題の渦中にある日本代表FW岡崎慎司(29=マインツ)が揺れる胸中を口にした。千葉県内で行われている日本代表合宿に合流し、後輩FW武藤嘉紀(22=FC東京)のマインツ加入を歓迎しつつも、来季の“競演″については言葉を濁した。微妙な反応の裏には、ハリルジャパンの現状を含め、岡崎が置かれている複雑な事情が絡み合っていた。

 

 岡崎はマインツ移籍が決定した武藤について「可能性は無限大ですね」と太鼓判を押した。しかし、一緒にプレーすることについて問われると「その可能性もあると思うし…でもどうでしょうね。そのへんはいろいろと難しいことがあると思うんで」と困惑の表情を浮かべた。

 

 岡崎を巡ってはレスター(イングランド)が興味を示し、英紙「テレグラフ」が移籍金800万ポンド(約15億円)で獲得へ乗り出すと報じられたばかり。去就問題が現在進行形のため慎重な発言になるのは致し方ない面もあるが、それ以上に歯切れが悪いのは、複雑な事情があるからだ。

 

 以前からイングランド行きについて「子供のころからの夢」(岡崎)と話すように“相思相愛″と見られている。だが、欧州事情に詳しい関係者の間では「プレミアでは通用しない」との評価もあり、自身は挑戦したい意向を持つものの、出場機会を失うリスクもあるため二の足を踏んでいる。

 

 特に、3月に就任した日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(63)は欧州でプレーする選手に対し、代表入りの条件を「所属クラブで試合に出ていること」と明言している。ロシアW杯を目指す岡崎は若手の台頭で攻撃陣のポジション争いが激化している状況も考慮。自身の処遇に苦悩しているわけだ。

 

 一方で、ドイツの強豪ボルシアMGも和製ストライカーに関心を寄せている。来季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)出場権を確保している同クラブからの誘いは、岡崎にとって大きな魅力だろう。しかも2年連続2桁ゴールで確固たる地位を築いたドイツならば、成功する可能性も高い。

 

 だが、マインツのクリスチャン・ハイデルGMはドイツ紙「ビルト」の取材に「シンジに対して我々が国内移籍を許可することを、私は想像できない」と難色を示している。強行することも可能だが、お世話になったマインツとの衝突は避けたいところ。つまり移籍の選択肢はかなり限られているのが実情なのだ。

 

 欧州で実績を積み上げ、年齢面でも29歳と脂が乗る岡崎にとって、今夏の移籍はステップアップに向けて絶好のタイミング。しかしハリルジャパンを含めたさまざまな事情が見え隠れしており、結論を出すにはまだまだ時間がかかりそうだ。